スクープ

2002年3月


WiLL VC
トヨタ
あとはG-BOOKだけ?
WiLL VCはもうここまでできていた!!
白い“塗装保護膜”のようなカバーをフロントにつけてはいたものの、ほとんど完成された姿でテストコースを走りまわるWiLL VC。レモンイエローのボディカラーが鮮やか。
 
独特のずんぐりとしたスタイルは、まさに東京モーターショーで見たあのクルマ――WiLLブランドのクルマ第3弾として発表されたWiLL VCだ。レモンイエローのボディカラーをまとった「VC」はちょっと新鮮だが、どうもいつものスクープ写真とは雰囲気が違う。そう、トヨタ流の擬装を施していないのだ。

デビュー前のクルマには必ずといっていいほど、フロント部分を隠すための黄色いネットと、ボディラインをごまかすためのパネルが貼り付けられている。ヘッドランプも間に合わせの角形ランプを装着していることが多い。

ところが、このVCはほとんど擬装らしい擬装をしていないのだ。まるで生産車のテストのように。マスク部分は白い塗装保護フィルムのようなもので覆われてはいるが、それも申しわけ程度に過ぎない。ヘッドランプに至っては、間に合わせどころか、あのタテ4連配置のランプがバッチリ収まっている。

こうした例がいままでになかったわけではない。デビュー直前のクルマの場合、こうしたテストカーを走らせていることもある。

「じゃあ、WiLL VCは5月デビューなんだから、いいんじゃないの?」というご意見もごもっとも。ところが最近、WiLL VCのデビューが秋口まで遅れるというウワサがたっている。情報によると、その原因は『G-BOOK』立ち上げの遅れにあるという。ご存じのとおり、WiLL VCは新しいネットワークサービス『G-BOOK』に対応する最初のクルマというのがウリ。だからクルマだけを先行発売するわけにはいかないのかもしれない。

もうここまで完成しているWiLL VCは、やはり「G-BOOK待ち」なのだろうか。2月中には結論が出るという情報だったが、はたしてその結果は…。

 

●東京モーターショー出品車
トヨタが放つWiLLブランドのクルマ第3弾。Vi、VSに続いてかなり個性的なスタイルだが、クルマ本体よりも「G-BOOK」ばかりが注目されているようにも思えるが…。


デビュー時期をも左右する WiLL VCのキモ
「G-BOOK」ってなんだ?
WiLL VCの特徴的なセンターパネルの、さらに中央にある画面こそ「G-BOOK」のディスプレイ。ただのカーナビじゃありません。

トヨタが始める、クルマ向けの新しいネットワークサービスが「G-BOOK」だ。早い話がiモードのクルマ版のような感じだが、「車内で見ることを前提としたコンテンツの充実」「カーナビとの連携による位置情報の通信」などが特徴だ。そしてシステム的には携帯電話を使わずにクルマに搭載された専用の通信モジュールを使ってGAZOOセンターとの通信を行う点が、従来のMONETなどとは異なる。当初、サービス開始は「02年中ごろ」としていたが、1月の発表では「本年後半に」となっていたことにも注目。