スクープ

2001年8月


VX-5(仮称)
いすゞ
人とラゲッジのすみ分けを
欧州デザインが大胆アピール!!

詳しいブース位置は未発表ながら、今回の東京モーターショーではグループごとにブースが集められることが決定している。GMグループに属するいすゞの場合、オペルやシボレー、スバルといったブランドと軒を並べることになるワケだ。プレスデーに使われるセンターステージもGMグループ各社が共有するレイアウトとなるが、ブースでの各メーカーごとの特色は十分に生かされる。

前回、初の商用車ショーとなった00年はいすゞにとって出番とも言うべきショーだったから、乗用車ショーの今回は脇役に徹するのか?

答えは「NO!」だ。本誌スクープ班は自信をもって断言する。これまでの流れを受け継ぎ、いすゞは今回も力の入ったコンセプトカー「VX-5」(仮称)を出品することがわかった。その外観デザインは右に掲載した確定イラストが示すとおり、硬質なタッチを採用した近未来SUVのあり方を提案するものだ。

外観フォルムの重要なポイントは、人間が乗るキャビン部分とラゲッジスペースのすみ分けを表現している点だ。グリーンハウスは高さ方向に余裕があり、ゆとりある居住性を暗示。対するラゲッジ部分にはウインドウがなく、ユーティリティスペースとして大量の荷物が積載できることが外観からも伝わってくる。ちなみにサイドドアは99年に出品された「回-KAI-」と同じく、観音開きになる可能性が高い。また、ボディカラーには歴代コンセプトカーと同じく、シルバーが採用される。


本誌が独占入手したいすゞのコンセプトカー「VX-5」(仮称)の確定フォルム。人間が乗るキャビン部分とラゲッジスペースを外観デザインで明確に区別しているのがポイントだ。

このVX-5はこれまでに出品されたヴィークロスやデセオ、KAI同様、ヨーロッパのデザイン拠点で開発が進んでおり、東京モーターショー前に日本へ極秘に運ばれてくる予定だ。あくまでもデザイン・コンセプトなので、実際にメカが搭載されるかどうかはわからないが、直噴ターボディーゼル・ユニット「Dd」や電子制御トルクスプリット4WD「TOD(トルク・オン・ディマンド)」搭載が想定されている。

国内ではクロカン市場全体がライト級にシフトし、ヘビー級を得意とするいすゞにとってはツラい時期にある。だが、フレーム構造を貫いてホンモノ感を売りにし、他社製品とは一線を画し続けるポリシーにこそ、いすゞの基本姿勢が見える。次世代ディーゼルエンジンの技術展示とともに、「SUVのスペシャリスト」が誇る底力を会場で堪能しよう。


第30回東京モーターショーに出品された「ヴィークロス」。カーボンファイバーやアルミを使い、軽量化に取り組まれたクルマだった。のちにデザインテイストを受け継いだ市販モデルが発売された。 第31回東京モーターショーには「デセオ」が出品された。フラッシュサーフェス・ボディと“2+2”ドアが外観デザインの特徴だ。3.2L V6直噴ガソリンエンジン搭載を想定していた。
第32回東京モーターショーにはヴィークロスの進化版とも言えそうな「VX-2」が登場。近未来のラリーカーを彷彿とさせる精悍さでスポーツビークルの新しいあり方を提案した。 第33回東京モーターショーに参考出品された「回-KAI-」。現代建築の力強い骨格と機能美、日本の伝統美を融合させたユニークなクルマだった。全長も4m未満のコンパクトサイズだ。