スクープ
2004年11月

 ヴィッツ  トヨタ
 見よ! 新型ヴィッツのこの上質感

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既報のとおり、Aピラー下まで伸びる大きなヘッドランプを持つ新型ヴィッツ。フロントグリル中央は現行モデル同様、凸をモチーフにしたデザインに仕上げられている。

 コンパクトカー・ブームの火付け役となったヴィッツがデビューから丸6年を迎える05年1月下旬、待望のFMCで生まれ変わる。「小さくて扱いやすい」「レベルの高い内外装デザイン」を踏襲しつつ、新型モデルでは質感が大幅に高められる。新たに掲げられたキーワードは「マイ・プラウド・コンパクト」、つまり「自信・誇りを持って乗れるコンパクトHB」というワケだ。

 外観はシャープでキレのあるデザインへと進化。もはやコンパクトカーとは思えない存在感を放ち、硬質な印象が老若男女を問わず、幅広いユーザー層に受け入れられそうだ。ラジエターグリル上には既報のネッツ店専用エンブレムが装着され、縦方向に拡大されるヘッドランプと相まってマスク全体に高品位なイメージがもたらされる。

 サイドビューでは張りのあるボディ断面と踏ん張り感を強調したホイールフレアが特徴的。また、ウインドウ下のウエストラインが弓なりに成形されることで前進感・躍動感がかもし出されるのも新型モデルのポイントだ。グリップ式に変わるドアハンドル、ブラックアウト化されてウインドウとの一体感が増すセンターピラーも要チェック。

 後ろ姿にも大きく手が加えられ、堂々と構えた印象が放たれる。具体的にはボディ側面から回り込むショルダー部分のプレスラインと前傾したバックウインドウが用いられ、ワンクラス上の品格を演出。また、CIエンブレムを囲うようにバックウインドウ中央が盛り上がっている点やシャープな輪郭が目を引くLEDテールランプなど、フロントビュー同様、目新しさ演出にも力が注がれている。

 内装では現行モデルで採用されたセンターメーターが継承され、先進的なイメージが受け継がれる。さらに、新型モデルでは全グレードに判読しやすいオプティトロン(自発光式)のアナログメーターが用いられ、助手席側から見えないと不評だった時計も見やすくなる。その下に配されるセンタークラスターは縦長デザインに変わり、横方向の広々感演出にひと役買う。廉価グレードを除いて一体デザインのCDオーディオが標準装備されるが、オプションでG・BOOK対応SDカード・ボイスナビもしくは安価なCDボイスナビも選択可能だ。

 もっとも注目したいのはヒーターコントロールパネルだ。マニュアルエアコン装着車には手探りでも操作しやすいダイヤル式が引き続きおごられるが、この3連ダイヤルは縦に並べられる(上からファン風量、吹出し口、温度調整)。一方、オートエアコン装着車は液晶表示付プッシュ式となるが、現行モデルと同じく、スイッチ類が極力減らされてシンプルにまとめられる。プラズマクラスターと世界初の花粉除去モードも備わるため、室内の快適性も保たれるだろう。

 フロントシートには立体的なデザインが取り入れられてホールド性、座り心地ともに向上。バックフレームが薄く設計されることで後席足元のスペースも拡大される。そして、より大きく変更されるのがリアシートだ。新たに採用される6:4分割チルトダウン格納式は前倒し操作と連動してクッションが沈み込む、いわばフィットと同じ方式を採用。後席前方の空き(足元)スペースが有効活用でき、ラゲッジ容量アップも図られて一石二鳥だ。おまけに150mmのスライドと10度のリクライニングも行え、多彩にアレンジできるのが嬉しい。

 動力性能では1リットルエンジンの刷新が大きな話題となりそうだ。現行ヴィッツと並行して開発された1SZ型・直4に代わり、パッソに搭載済みの1KR型・直3が起用されて軽量化が図られる。スペックは71ps/9.6kg-mと、現行1SZ型の70ps/9.5kg-mとほぼ同等でありながら、10・15モード燃費は現行モデル比プラス2.4km/リットルの22.0km/リットルへと飛躍。これにはスーパーCVT-iが貢献している部分も大きい。

 低燃費を達成したフィット対策として現行モデル途中に追加された2SZ型1.3リットル(87ps/11.8kg-m)、4WD専用の2NZ型1.3リットル(87ps/12.2kg-m)はそのまま流用され、1NZ型1.5リットルは吸排気系が見直されて燃費が改善される。ただ、気になるのは2SZ型1.3リットル搭載車の10・15モード燃費が23.0km/リットルから19.6〜21.5km/リットルへと退化することだ。メーカー側は「安全対策のために重量が重くなったためで、それでもグリーン税制の優遇が受けられるよう、排ガスはより高い基準をクリアしている」と説明するトーク例も用意。ちなみに、現行モデルは全車が平成17年排ガス基準50%低減レベル(3ツ星)をクリアしているが、FMCを機にFF車は同75%低減レベル(4ツ星)へと進化、平成22年燃費基準+5%達成と併せてグリーン税制の優遇措置が受けられる。

 欧州仕込みの足まわりは随所が見直されて高速走行でも安定した走り味を実現。フロント・サスペンションではアブソーバー径が、リア・サスペンションではアームブッシュの配置が変わる。同時にブレーキのサイズアップも図られて効き具合とフィーリングが改善され、いちだんと高い安心感が得られるだろう。

 最後に、05年4月に追加発売されるインテリジェント・パッケージに触れておこう。現行モデルの2SZ型1.3リットルではなく、新たに1KR型1リットルエンジンにアイドリングストップ機構が組み合わされる同車には鉛電池とリチウム電池が搭載され、エンジン停止中もオーディオやエアコンが作動する。新設計スターターのおかげでエンジン始動時間が短縮されるとともに始動音も低減。10・15モード燃費は24.5km/リットル(現行モデル比マイナス1km/リットル)で、2グレードから選べるようになるのも朗報だ。

 身内のistだけでなく、マーチ、フィット、デミオといった強敵の多いコンパクトHB市場で、新型ヴィッツがいっそう光り輝くことは間違いなさそうだね。
躍動感あふれる外観はまさに“プチ・アベンシス”

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ふくよかな曲線で構成されている現行ヴィッツと異なり、新型モデルにはシャープな造型が用いられて力強さが演出される。CIエンブレムを中心とした盛り上がりにも注目。

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ラジエターグリル上にはネッツ店の頭文字「N」をかたどった新エンブレムが備わる。専売車種に順次、展開されていく予定だ ユニット内では上にターンシグナル、下に2灯式ヘッドランプとクリアランスランプが配される。 上からLEDストップランプ、テールランプ、ターンシグナル(クリア部)、バックアップランプが並ぶ。
アグレッシブで精悍 ホットなRSも健在だ

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押し出しの強さに磨きがかかり、ますますスポーティに変身するRS。専用メッシュグリルやフォグランプ、16インチアルミホイールも標準装備される個性的なグレードだ。 バンパー両サイドのリフレクターは現行モデルから踏襲。直径100mmの大径マフラーカッターが走り去る後ろ姿を印象づける。

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アンバー照明のセンターメーターと漆黒調センタークラスターがシックな雰囲気を漂わせる。本革巻きステアリング&シフトレバーもRSだけにおごられる専用アイテムだ。

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夜間走行時にはLEDテールランプが丸型に光り、RSならではの存在感あるリアビューに拍車がかかる。 サイドサポートが張り出し、ワインディングでもカラダを支えてくれるRSのスポーツシート。ダークグレー仕立ての精悍なテイストが人気を集めそうだ。

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踏襲されるセンターメーターに加え、新たに縦型センタークラスターが採用されて先進的なイメージがかもし出されるインパネ。シンプルさを保ちながらも安っぽさが払拭されている。

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2WD車はフロアトンネルが廃され、広くスッキリとした後席足元スペースが作り出される。 シート形状は現行モデルと似ているが、新開発のものに変更されている。薄型バックフレームの採用により、後席居住性も拡大されている。 リアヘッドレストは全車に装備。グレードに応じて一体可倒式または分割チルトダウン格納式(4WD車はダブルフォールディング式)シートが備わる。

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プリウスやクラウンに続き、新型ヴィッツにもプッシュ式スタートボタンが用いられる。 ドアハンドルを握るだけでロックが解除される便利なスマートエントリーも新採用。 オートエアコンは世界初の花粉除去モードも内蔵。リング部分がほのかに灯るのも目新しい。

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分割チルトダウン格納式リアシートは前方にスライドさせた後、シートバックを前倒しするだけでクッションごと沈み込む。反転式デッキボードをセットすればラゲッジスペースとのスキ間も解消。

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廉価グレードやRSにはリクライニング機構付の一体可倒式リアシートが備わる。

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センターメーター採用によって生じた運転席前方のデッドスペースにはフタ付ボックスが設けられる。 センタークラスター両脇には引き続きサイドボックスが配され、携帯電話などの小物が入れられる。

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助手席前方にはアッパーボックスも配置。グローブボックスは運転席からも手が届く位置にノブがつく。 引き出し式カップホルダーは運転席と助手席の両方に装備される。空調ダクトからの風も当てられる。

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アームブッシュの傾斜配置により、リアタイヤに横方向の力が加わった時にはトーインに補正されて操縦安定性が保たれる。 1リットルエンジンは1気筒少ない直3に変わるが、実用域でのトルクはむしろ厚みを増す。現行1SZ型より約20%軽いのも朗報。
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