スクープ
2004年06月

ヴィッツベースクーペ トヨタ
出展に先がけ 世界初捕獲

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本誌が世界初公開するナゾのコンセプトカーは、セリカを思わせるクーペ風のシルエットを有する。ヘッドランプの輪郭線が描かれているほか、バンパーにはLEDを使ったフォグランプ(?)も。

 突然だが、このページを開いたキミに問いかけたい。上に掲載した白いクーペが何なのか、想像つくかな。

 スクープ班では世界初公開となる流出写真を手に入れたが、写っているクルマに関する詳細は一切判明していない。ただただ写真を見て予想するしかないのだが、車格的にはセリカに近いようだ。すなわち、フロント2席がメインのスペシャリティ・クーペだろう。

 具体的なディテールを観察すると、厚みのあるフロントバンパーの大半がブラックアウト化されているのが特徴的だ。中央にはエアインテークが設けられているようだが、その周囲も黒く塗ることで開口部を大きく見せている。また、その上には現行セリカを彷彿とさせる逆台形グリルとツリ目ヘッドランプ(の輪郭線)も配されており、ミョーに現実味あるデザインが与えられている。

 ボンネットフードはフェンダー内側から開くようだが、助手席側・奥には切り欠きも見える。まるで給油口でも設けられているかのようだ。ちなみに、グリル中央にはレクサスやサイオン(北米専売ブランド)ではなく、トヨタのCIエンブレムが装着されているのも興味深い。

 写真を見る限り、ヘッドランプ本体は装着されていないようだ。ただ、バンパー両サイドにはLED採用のフォグランプ(?)が、さらにホイールアーチに沿うカタチでもクリアレンズのランプ(ターンシグナルか?)も埋め込まれている。その後方、ホイールアーチは大きく盛り上がっており、フロントビューに迫力をもたらしている。

 一方、ボディ側面で注目したいのが個性的なウインドウグラフィックスだ。通常の位置にウインドウが設けられているのは当然だが、Aピラーと平行に開口部が伸ばされて足元にも小さなウインドウを設置。また、ドアそのものは通常のヒンジ式ではなく、Aピラーを支点に開く斜めガルウイング式で、これを証明する別のナマ写真も入手した。ちょうど90年代前半に話題を呼んだセラと同じ開閉方式だ。

 セリカ級に見えて、かつ部分的に現実的なデザインが用いられているナゾのスペシャリティ・クーペ。セリカの世代交代が予定されていない代わりに、2代目ヴィッツをベースにしたクーペの構想が持ち上がっていることを加味すると、コイツはその新型車を暗示するコンセプトカーの可能性が高い。ズバリ、9月開催のパリサロンで披露されることに期待しよう。

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ドアは懐かしのセラを思い起こさせる斜めガルウイング式だ。フロントビューを印象づける大型バンパーはブラックアウト化され、エアインテークも含む。広い全幅はコンセプトカーならでは。
ファンクーペ

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ヴィッツの発売を暗示するコンセプトカー「ファンタイム」「ファンカーゴ」とともに公開されたコンパクト・クーペ。市販化には至らず、参考出品車に終わった。
セラ

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90年3月に発売されたガルウイング式ドア採用のコンパクト・クーペ。1.5リットルエンジンが搭載され、ターセル/コルサ/カローラIIのコンポーネンツが流用された。


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