2003年 7月
セドリック/グロリア
日産
門外不出の生写真が流出 疑問なしフォルムを独占!
V6フロントミッドシップ搭載のFMパッケージ継承
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これが世界初公開となる新型セドリック/グロリアの外観デザインだ。スカイラインゆずりのFMパッケージにより、長いフロントノーズと短いリアデッキが採用される。
01年初頭に発売されたシーマ以来、何らかのウリを明確に打ち出して登場してきた日産のセダン群。直近では、リビング感覚の内装デザインを得て2月にリリースされたティアナが思い出される。
そして04年初夏。老舗ブランドのセドリック/グロリアが揃って生まれ変わり、新生・日産車にふさわしい明快な商品コンセプトと洗練された内外装デザインが盛り込まれる。スクープ班ではデビュー10カ月前にして擬装のない外観フォルムとインパネが写されたナマ写真入手に成功。どこよりも早く、掲載に踏み切った。
まずは上の流出写真をじっくりとご覧いただこう。ここ数年の間に登場した日産セダン群に通ずるデザイン・テイストが垣間見え、エンブレムがなくても日産車と識別できる読者が多いに違いない。FM(フロント・ミッドシップ)パッケージが採用されるため、プロポーションはスカイラインに似ていてノーズが長い。一方、ボディ側面では6ライトキャビンが目を引くが、こちらはティアナから継承されるデザイン処理だ。ウインドウグラフィックの後端が切れ上がっている点も共通だ。
フロントマスクには横線基調のメッキグリルが配されているが、スポーティな雰囲気が演出されるグロリアには別デザインのものが用いられる可能性が高い。当然、アルミホイールの形状も両車で異なるだろう。ヘッドランプは目尻がホイールアーチに沿って切れ上がっている日産車共通の新デザインで、セドリック/グロリアではボンネットフードが食い込むことで個性的な目つきに仕上がる。
先に述べたように、新生・日産車には必ず明確なウリが掲げられてきたが、新型セドリック/グロリアではライバル車を凌駕する巨大キャビンが最大のセールスポイントとしてアピールされる。ボディサイズは4830mm(現行モデル比マイナス30mm)×1795mm(同プラス25mm)×1510mm(同プラス60mm)、ホイールベースは100mm長い2900mmに伸ばされ、前後席に身長190cmの人がくつろいで座れる居住性を確保。とくにリアシート足元スペースはシーマやセルシオ以上に稼ぎ出され、頭上スペースも130mmを超える見通しだ。この広いスペースを生かすことで、後席には電動リクライニング機構も備わる。また、フロントシートには8月26日発表のシーマMCモデルで先行採用される冷温風吹出し機構付の本革シートも用意される。
インパネは現行モデルと同じく、横方向の広がりが強調され、センタークラスターにはジョイスティックをはじめとする集中コントロールスイッチが新たに置かれる。その下には楕円形のアナログ時計も設置。インテリジェントキーは進化を遂げ、ドアを開けただけでシートやステアリングが登録されている位置に合わせられてドラポジが調整される。このほか、プッシュ式スターターボタン、ブルートゥース対応ハンズフリーフォン、助手席パワーオットマン、後席DVDプレーヤー&天井格納式液晶モニター、5.1chサラウンドオーディオ、AFS(アダプティブ・フロントライティング・システム)など、ライバル車の商品力を超える充実装備が揃う。
シャシーにはスカイラインと同じFR-Lプラットフォームが使われ、2.5リットルおよび3.5リットルV6エンジンを搭載。ティアナなどに採用済みの3.5リットルユニットはさらなる改良が施され、NAながら最高出力が280psに達する見込みで、最大トルクも36.5kg-m前後まで増強される。10・15モード燃費は9km/リットル以上が目標とされており、いまなお改善に取り組まれているようだ。17インチアルミホイールや前後マルチリンク式サスペンションが安定した走りをもたらし、スポーティ・テイストの強いグロリアには19インチ(!)アルミホイールが設定されてHICASも復活を遂げるとのウワサがある。ちなみに、現行モデルで初採用されたエクストロイドCVTは消滅する模様。
スクープ班が入手したマーケティング資料によると、高級セダン市場でクラウンが他メーカー所有者からの代替え獲得率で15%前後の数値をマークし続けているのに対し、セドリック/グロリアはひとケタ台のまま、10年近くも推移している。次こそはトヨタをはじめ、他メーカーのクルマを所有しているユーザーも取り込み、シェア拡大を図りたいところ。新経営計画「日産180」を成功させるためにも、新型セドリック/グロリアは失敗が許されない04年デビュー車のひとつだが、この巨大キャビンと充実した装備ラインナップ、そして割安価格(下のコラム記事参照)を見る限り、「日産180」を成功へと導く1台として大きく貢献しそうな予感がするのはスクープ班だけではないだろう。
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●現行スカイライン
FM(フロント・ミッドシップ)パッケージが初めて採用されたクルマ。長めのフロントノーズが特徴的だ。
●現行ティアナ
大きなグリーンハウスを連想させる6ライトキャビンと、切れ上がったウインドウグラフィック後端に注目。
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シーマやプリメーラ同様、センタークラスターには集中コントロールスイッチが置かれ、その下に楕円形のアナログ時計を配置。サイドデフロスターはAピラーに設けられる。
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居住性の良さがセールスポイントに掲げられる新型セドリック/グロリアの後席にはリクライニング機構も備わる。シートクッションが前方へスライドし、シートバックの角度が変わる仕掛けだ。こんなワザが実現できるのも、広い足元スペースが確保されているからこそ。
マーケティング資料から販売予定価格も見えた!
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内外装のナマ写真入手とともに、マーケティング活動に用いられたと思われるライバル車との価格比較一覧も手に入れた。ここには現行セドリック/グロリア、スカイライン、ティアナ、クラウン、アリストの値引き後(実売)価格と月間販売台数が示されている。もちろん、もっとも注目したいのは左端に囲まれている新型セドリック/グロリアの価格で、3.5リットルV6最上級モデルが423万円、最廉価の2.5リットルV6が312万円でそれぞれ販売される計画までわかった。現行モデルの3リットルおよび同ターボとほぼ同じ価格で3.5リットルモデルが売り出されるため、割安感が強調されることになるだろう。ちなみに、4WDは3.5リットルのみに設定。
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ライバル車として実売価格が比較されているクラウンおよびアリスト。どちらもモデル末期のクルマだ。
●はみ出し情報 その1●
2.5リットルベースグレードにも7インチディスプレイ、運転席パワーシート、インテリジェントキー、プッシュ式スターターボタンなどが装備され、ナビ付モデルは別グレードとしてラインナップされる。
●はみ出し情報 その2●
3.5リットルエンジン搭載車には2グレード用意され、ベースグレードにも助手席パワーシートやAFSキセノンヘッドランプ、インダッシュ式CDチェンジャーを装備。上級モデルには後席パワーシートも。
●はみ出し情報 その3●
後席には天井格納式の液晶モニターとDVDプレーヤーがセットオプション設定され、ヘッドホンも併せて装備される。
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