スクープ

2001年8月


カペラ後継新型ミドル4ドア
マツダ

カペラに代わる新ネーミング
メーカー内で現在模索中!!

フォード・グループの一員としてブースを構えるマツダは、新型車リリースがなかった“忍耐の1年”にサヨナラを告げるべく、数多くのクルマを出展する。なかでも注目したいのがマツダ・ラインナップの次代を担う新型ミドル4ドアだ。すでに報じているように、このクルマはカペラに代わる新型車として02年春にデビューすることも決定している。

当初、スクープ班は9月に開催されるフランクフルトショーで、ミドルカーが発表されると予想した。なぜなら、カペラことマツダ626(輸出名)は国内よりもヨーロッパで高い人気を保持しているからだ。しかし、調査を進めてみると、意外なことに、ミドルカーは東京モーターショーで初披露されることが判明。その理由は、マツダがフォード・グループの中でミドルサイズ車の担当であり、今後フォードやボルボも使うプラットフォームの開発主担当だからである。


フランクフルト出品が見送られ、東京モーターショーで初披露されるマツダの新型ミドル4ドア。ミレーニアに似たヒップデザインが採用されるとの情報もある。

ボディタイプはイラストで再現したセダンのほかにワゴンと5ドアHBも存在。フロントノーズは最近のマツダ車にならい、つり目ヘッドランプと5角形グリルで構成され、スポーティな雰囲気が打ち出される。セダンに関しては「前半分が現行カペラ、後ろ半分がミレーニアに似ている。リアはハイデッキで、現行モデルをさらにヨーロッパ調にしたデザイン」との証言も得られている。全ボディとも幅が広げられ、3ナンバーサイズへとクラスアップ。また、搭載エンジンは1.8L、2L、2.3L S-VT(可変バルブタイミング)が想定されており、ヨーロッパ向けには直噴ディーゼルも用意される見込みだ。

冒頭で触れたとおり、この新型ミドル4ドアはカペラ後継車であり、カペラの名は引き継がない。そこで、本誌スクープ班は新ネーミングの調査も推し進め、候補に挙がっているものをキャッチすることにも成功。その結果、現段階では「ATENZA(アテンザ)」と「ANTHEON(アンシオン、アンセオン)」のふたつが選択肢として最終審査を受けていることがわかった。ショーで正式名が発表される可能性は低いが、この新しいネーミングはマツダの世界共通ブランド戦略にのっとり、国内向けにとどまらず、ヨーロッパ向けにも使われるだろう。つまり、これは永らく親しまれてきた数字だけの車名(626)が消えることをも意味している。誰もが待ち望んでいたマツダの奮起がまもなく始まる。

今度こそはカペラの名が
ホントに消える!
カペラから3ナンバーセダンへ―このシナリオを聞いてクロノスを思い出した読者もいるかもしれない。バブル期にマツダは販売5チャンネル化をもくろみ、カペラに代わる新型3ナンバーセダン「クロノス」を91年10月に発売し、ワゴンを残してカペラの名が消えた。しかし、3ナンバー車に踏み切れないユーザーやディーラーからの要望に応え、94年8月に5ナンバーセダンのカペラが復活。あれから7年、スポーティに生まれ変わるのを機に、今度こそはカペラの生涯に終止符が打たれる。
“復活”したカペラ
現行カペラ
94年8月に“復活”したカペラ。
最終モデルとなる現行カペラ。