今年度、日産は史上最多の12車種を全世界で投入し、新車販売の面において猛加速を図る。すでに国内ではモコとエルグランドを発売しており、この後もフェアレディZ、キューブ、スカイライン2ドア、セフィーロと続く。
一方の北米では350Z(日本名フェアレディZ)やインフィニティG35(同スカイライン)クーペ、次期マキシマなど、6車種が発売される予定だ。その中には、4月のニューヨークショーで初披露されたハリアー対抗ラグジュアリー・オンロードSUVのムラーノも含まれている。周知のとおり、ムラーノはFF-Lプラットフォームに3・5リットルV6エンジンと新開発7速マニュアルモード付CVTを搭載しており、乗用セダン顔負けの走行性能と快適性を身につけている。
ショー出品モデルでは素焼き陶器を思わせるテラコッタ調のカラーリングが内外装に用いられ、単なる高級車とは一線を画す躍動感も併せて演出されていた。やや好き嫌いの別れそうな色ではあったが、スクープ班ではオーソドックスなカラーリングにまとめられた量産モデルに超接近を果たすことに成功した。
ひとつは外観の面と線がシャープに表現されるシルバーだ。キャラクターラインが明解に現れることで引き締まった印象がかもし出され、日産デザインのあり方を象徴。ムラーノが決して年配ユーザーだけを狙ったゴージャスSUVではないことが伝わってくる。
もう1台は落ち着いた雰囲気が魅力的なゴールド色だ。こちらは前衛的なデザインを適度にトーンダウンするため、幅広いユーザー層に支持されるだろう。ちなみに、このボディカラーを選んだ場合には内装もベージュ基調でまとめられ、乗員にはくつろぎと落ち着きがもたらされる。もちろん、デザイン的な特徴でもあるメタル調パネルはそのまま装着されるため、ムラーノならではのテイストはしっかりと演出される。
九州工場で生産されるムラーノは秋から北米での販売が始まる。「いまのところ、国内投入の予定はない」と口にする関係者もいるが、ハリアーの成功を見て開発されただけに、可能性がゼロとは言い切れない。確かに当初は海外専売車として開発されていたが、「途中から国内市場も視野に入れた」との証言もあり、今後の動向が気になるところだ。ここはひとつ、みんなで日産にラブコールを送って国内導入をお願いしよう!
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