いまトヨタがもっとも恐れている存在は、オデッセイ、ステップワゴン、ストリーム、フィットなど、立て続けにヒット作を送り出しているホンダだ。それを証拠に、トヨタはホンダが開拓した市場に次つぎと商品を投入し、必死に追従を図っている。あるトヨタ関係者は「ホンダを追いかけているとは思われたくないけど、実際には追従せざるを得ない」とも語っている。
例えば、イプサムは01年5月デビューの2代目で2・4リットルエンジン搭載の3ナンバー車に拡大され、新たな兄弟車ヴォクシーが加わって戦力アップを図ったノアは低いフロアやファミリー層を意識したCMでモロにステップワゴンをライバル視。さらに、ストリームからのユーザー争奪を使命に掲げる新型ミニバン「760N」(左のコラム参照)や、フィットの23km/リットルをしのぐヴィッツ低燃費モデル(10・15モード目標燃費24km/リットル)も開発が進んでいるのは既報のとおりだ。
ならば、モビリオ・キラーも存在するのではないか。こんな計画を思い浮かべ、想像するのは難しいことではない。トヨタは3列シートミニバンの最小モデルとしてスパシオをラインナップしているが、これはカローラ・ベース。一方のモビリオはヴィッツ対抗のフィットをベースにしたスペース効率優先の極小チビバンだ。もしかしたら、トヨタ社内ではスパシオの下に位置づけられる、さらなるチビバンがいるのではないか?――スクープ班ではこんな予想を抱いている。
残念ながら、確たる証拠がキャッチできていないので、ここから先は推測の域を出ないが、エンジンには1NZ-FE型1・5リットル直4ユニットが用いられ、全長は4m前後に抑えられるはずだ。3列シートが十分に使いこなせるよう、パッケージングはモビリオ同様、スペース効率を第一に考えた設計となるだろう。もちろん、内装のシート機構や装備にはモビリオを圧倒するだけの、トヨタならではの知恵が盛り込まれるにちがいない。
"第六感"の鋭さには自信がある本誌スクープ班。モビリオ・キラーが単なる妄想なのかどうか、今後も真偽のほどを調査していく。
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