ボディカバーを被せられ、まったく正体がわからなかった1台の四角いテストカー。それと前後して発表されたスズキのコンセプトカー群。スクープ班では発見したテストカーのステアリングホイール中央部に見えた「○○pin」の文字を手がかりに情報収集を行い、テストカーの正体を探ろうとしたが、東京モーターショーのスズキ・ブースを訪れ、その必要がなくなった。なぜなら、ショー会場でそのクルマは正体を明らかにしていたからだ。
入手した写真はコンセプトカー「Lapin−ラパン−」の市販版であることが判明。多方面から聞こえてくるコンセプト版との違いを盛り込み、市販モデルの姿を完全再現してみた。モーターショーの会場ではファンシーな雰囲気を全面に打ち出していたラパンだが、市販モデルにはメッシュグリルや丸型フォグランプ、ミニライト製アルミホイールが採用されてアクティブなイメージがかもし出されることがわかった。ドアミラーは丸型のままだが、ショーモデルとは微妙に形状やサイズが異なるようだ。
リアではウインドウ下のノッチ風デザインが特徴的。ここにコンビランプが収められ、フロントと同じく、躍動的な雰囲気が演出されるにちがいない。大きな「Lapin」のエンブレムはガラス部分に装着されるとの情報もある。
内装ではベンチシートの採用が見送られ、オーソドックスなセパレートタイプを起用。コラムシフトはショーモデルから踏襲されるものの、パーキングブレーキレバーは前席の間に置かれる。また、グリップの太いステアリングホイールやインパネ右端に設置されるアナログ時計、丸をモチーフとした空調吹き出し口もショーモデルとは異なる点だ。残念ながらセンターメーターも実現せず、運転席側に置かれる。
ボディサイズはショーモデルと大差なく、軽自動車枠をフルに生かした3395mm×1475mm×1500mm程度に収まる。アルトやワゴンRとプラットフォームを共有するためか、ホイールベースも同じ2360mmに。搭載エンジンには既存のK6A型が用いられる可能性が高いものの、改良が加えられて熟成が図られる予定だ。おそらく燃費や排ガス性能も向上するだろう。
一部では「アルト後継車か!?」とウワサされるほど実用性を重んじるラパンのスタイリングは、先ごろ発表されたフォルム重視のMRワゴンとは対照的だ。待望の市販化は02年6月が濃厚。
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