新型プリメーラの先を行く
インテリジェントカー出品!
リバイバル・プラン発表やゴーンさんの存在感、ルノーとの提携話に押され、99年の東京モーターショーでは日産のコンセプトカーに対する注目度は低かった。ブース全体の盛り上がりもいまひとつで、何だか寒々しい雰囲気さえ漂っていた。
しかし、今年は違う。新しいCIエンブレムを掲げ、活力を取り戻しつつある日産は、今後のクルマ作りのビジョンを明確に提示する。発売前のクルマも含め、コンセプトカーは5〜6台出品されるとの情報もあり、大いに盛り上がるはずだ。
なかでもメインとなるコンセプトカーはIT技術を満載し、「プリメーラの先をいくクルマ」(日産関係者談)に仕上がるという。本誌では独自に調査を進め、どのようなクルマなのか探ってみた。その結果、いま市場が賑やかで選択肢の多いジャンルであることが判明。
このヒントを元に、スクープ班はふたつのコンセプトカー像を導き出した。ひとつはヴィッツとフィットが熱い接戦を繰り広げているコンパクトHB市場をにらんだクルマだ。しかし、日産はフランクフルトショーに次期マーチのコンセプト版とも言える「mm・e(エムエムイー)」を出品することを明らかにしている(30ページに関連記事あり)。だとしたら、コンパクトHBの案は可能性が低くなる。
もうひとつはミニバンだ。3列シートを備え、排気量2L前後を想定した乗用車発展型ピープルムーバー、日産の車種ラインナップで言えばリバティに相当するクルマだ。先頃MCが行われ、モデルライフ後半に突入したリバティだが、次期モデルの開発はもう立ち上がっているはず。いま現在、提案されているデザイン案をどれか取り出し、それをコンセプトカー風に仕立ててITカーを作り上げることは、それほど難しい作業ではないだろう。
そんな想像と希望も織り込み、スクープ班では日産が出品するITコンセプトカーの予想イラストを作成してみた。プリメーラで発信された日産デザインの新しいアイデンティティもたっぷりと盛り込み、近未来の日産車を連想させるクルマに仕上げてみたが、いかがだろうか。2カ月後、350Z市販版とともにショー会場でその姿を確かめよう!