スクープ

2001年1月


イプサム

トヨタ

“ガイア以上、エスティマ未満“「使える3ナンバーミニバン」に進化
イプサムをまるハダカにした!

イプサムが3ナンバー化される――この情報を得たスクープ班は、かなりの衝撃を受けた。

トヨタのミニバンファミリーの中でも、イプサムはドル箱的存在だ。デビュー5年めのいまでも、競合モデルの多い5ナンバー3列シーター界で、人気モデルとして君臨し続けている。もっとも、ここ最近はストリームの絶好調の陰に隠れてしまったようにも感じるが、イプサムがモデル末期であることを考えれば、しかたのないことかもしれない。

とにかく、イプサムは次期モデルも”キープコンセプト”として、現行モデルの人気を維持(あるいは奪還?)し続ける。これが使命だ――そう予想していたのは、スクープ班だけではないはずだ。


テストカーのナマ写真をベースに、開発コード「370N」次期イプサムのフルヌードをイラストで予想してみた。こうしてみると、やはり現行モデルを素直に“巨大化”したイメージだ。


ところが、イプサムはいまの地位を捨てて、3ナンバー化への道を選んだ。いったい、どんなクルマになるというのだろうか。

すでに2月号のスクープ記事でもお伝えしたが、次期イプサムのライバルはオデッセイだという。ここで生じるのは「オデッセイ・クラスのミニバンといえば、トヨタにはエスティマがあるじゃないか?」という疑問。全長×全幅だけをみると、オデッセイもエスティマも全長約4・8m×全幅約1・8mで、ほぼ同じ大きさのクルマだ。

ただ、この両モデルの外寸にはちょっとした、しかし重大な違いがある。100mm以上の全高差だ。

オデッセイの全高がイプサム並みの1630mm(2WD)なのに対して、エスティマは1770mm。1・7mを超えると、立体駐車場の対応条件などがいっそう厳しくなることを考えると、この差は大きい。

こういった点を考慮しつつ、アメリカ風ではなく、ほんとうに日本で使いやすいサイズのミニバンを追求するとなると、全長4700mm×全幅1750mm×全高1630mmあたりになるだろう。「ガイアよりちょっと大きいけれど、エスティマほどではない……」次期イプサムの狙いどころは、まさにこのへんだ。

エスティマが売れていないわけでもない。むしろオデッセイより好調なくらいだ。現行イプサムだって評判はいい。キープコンセプトで新型へ移行しても、誰も文句は言わないだろう。


2月号掲載のテストカーでは…
2月号では「ビスタ店特集」の予想イラストを製作した後に、テストカーのナマ写真を入手。併せての掲載となったが、今回は改めてイラストを描き直してみた。テストカーはおそらく右ハンドル車だと思われるが、欧州向けイプサム「ピクニック」も同じクルマになるのだろうか。

それでも、トヨタはイプサムをクラスアップさせ、オデッセイに対決を挑む。現行イプサムのポジションは、完全な3列シーターへ変身する次期スパシオが埋めてくれる。いまだ人気の高い本格ミニバンだから、ビスタ店の起爆剤としても非常に重要な役割を果たすに違いない。

“大きく”変わる次期イプサム。デビュー予定はこの夏だ。スクープ班も引き続き、このクルマを追う。

“イプサム3ナンバー化”に連動してトヨタ・ミニバンが変わる
●スパシオは完全3列化!!
イプサムが3ナンバーミニバンに大型化することによって空席となるポジションは、次期スパシオが埋める。現行スパシオより大きくなり、「きちんとした7シーター」へ成長することは既報のとおり。現行イプサムからの乗り替えにも対応できるはずだ。
●ノアとイプサムが兄弟に!?
次期ノアは、次期イプサムと共通のプラットフォームを使う可能性が高い。いよいよノアもFFミニバンの仲間入りをするということだ。4月にFMCするステップワゴンの強力なライバルとして、この冬に登場予定のFFノアは、5ナンバーサイズをキープする。

space.gif (807 バイト)
space.gif (807 バイト)