東京モーターショーで注目を浴びた「GT-Rコンセプト」。そのスタイリングは賛否両論だが、現段階では「あくまで原案というか、イメージをカタチにしたもののひとつ」(開発関係者)だという。つまり、デザインからプラットフォーム、パワーユニットにいたるまで、まだ白紙の状態なのだ。03年中とウワサされるデビューに向けて、これから開発作業が本格化する。
というわけで、ここから先は推測の域を出ないが、GT-Rが日産スポーツのフラッグシップとして残ることがハッキリした以上、ある程度の読みは可能だ。
例えば心臓部であるエンジン。経営再建中という立場を考えると、現行V6をベースに高性能化を図るのが現実的だが、それではGT-Rの存在意義が薄くなってしまう。何しろ新型フェアレディZが3・5リットルV6、ステージアでさえ2・5リットルターボで、国内自主規制値いっぱいの280psに達する。開発陣としては、5リットル級V8でフラッグシップの面目を保ちたいところだ。また、もうひとつの活躍フィールドであるレースで「V6では限界」とささやかれていることも理由のひとつだ。
ただ、手持ちのV8エンジンはシーマ用のVK45DD型しかなく、これではいかにも力不足。かといって、大量販売が見込めるわけでもないGT-Rのために専用エンジンを一から新開発するのも、いまの日産にとっては厳しい話だ。
そこで有望視されているのが、インディなどで実績のあるVRH50系レーシングエンジンに手を加えるという手法。エンジンルームのキャパシティや、スポーツカーの生命線ともなる重量バランスなど克服すべき課題は多いが、プラットフォームを含めてまったく白紙の状態が、逆にこの状況では強みになる。
スタイリングも流動的な要素が多いものの、リアの丸型テールランプだけは必ず継承されるはず、と期待を込めて言っておこう。
|