テストコースを走っていたのは「でっかいノア」だった。そのシルエットはよく似ているものの、明らかにノアより大きい――つまり、これこそ次期グランビアなのだ。
以前からウワサにされていたように、やはり次期グランビアはFF化される。エスティマのプラットフォームを使って、居住空間を現行モデルよりも大きくとったボディを載せる、という手法だ。一連のトヨタ新世代ミニバンの方程式どおり、Aピラーの位置はフロントアクスル直上まで前進させることになる。すると、まさにノアをそのまま大きくしたようなシルエットができあがる。
グランビアはエスティマの上、トヨタ・ミニバンのラインナップの中では最上級クラスという位置づけだ。ボディ寸法も若干ながらエスティマより大きく、また現行モデルにも見られる“押しの強いグリル”といった高級感が演出される。ランドクルーザー100が“SUVのセルシオ”なら、グランビアは“ミニバンのセルシオ”といったイメージだ。
メカニズム的にはエスティマのそれを踏襲し、2・4リットル直4、3リットルV6という2種のエンジンが搭載されるのはほぼ確実。また、スライドドアはノアと同じように両側に統一される可能性が高い。テストカーはノア「S」のようなスポーティ・バージョンで、前後バンパーやサイドスカートなどを専用装備としたものだ。当然、このほかにベーシックなモデルもあり、基本的には2タイプ構成となる。
さて、ここまでこの新型ミニバンを「次期グランビア」と称してきたが、じつは「グランビア」というブランドが消滅してしまうことがわかった。グランビア/グランドハイエース、そしてレジアス/ツーリングハイエースというファミリーをひとつのボディに統合する、というニュースはこれまでにも報じてきた。しかし、これに加えてグランビアを擁するネッツ店にはこのクラスのミニバンは必要なしと判断され、ブランド廃止が決定。“次期グランビア”は新ブランド名となり、トヨペット店とビスタ店のみに投入される。
この新型ビッグミニバンのデビュー予想は02年秋。さて、いかなるペットネームが与えられるのか、いまから楽しみだ。
|