スクープ
2004年 5月

フィット ホンダ
ついに待望のMTモデルも登場
販売台数ナンバー1奪回をめざして初のビッグMC

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現行モデル

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現行モデルと比べて、よりすっきりしたフェイスを手に入れる外観。新デザインのハニカムグリルは1.3リットルがブラック、1.5リットルがシルバーとなる。アルミホイールも新デザインだ。

 クラスを超えた室内の広さでコンパクトカー市場をリードしてきたフィット。発売から丸3年を迎え、いよいよ初のMCが6月中旬に行われる。03年は年間販売台数トップの座をカローラに譲ったものの、初代にしてホンダを代表する車種に上り詰めた人気車種だ。それだけに、定番コンパクトカーの地位確立をめざす狙いもあり、MCへと踏み切る。

 新型フィットの見所はなんといっても5速MTの新設定(1.5リットルのみ)。近年、ホットHBブームの再来が兆しを見せており、VWルポやプジョー206、スズキ・スイフトスポーツなど、MTモデルが人気を集めている。好調なF1をはじめ、スポーティなイメージを失いたくないホンダも需要が無視できなくなったのか、MT派にはうれしいビッグニュースだ。

 同時に忘れてはならないのが質感アップ。インテリア、エクステリアともにワンクラス上の装備を手に入れ、国産ライバル車はもちろん、欧州の上級モデルと十分に競争できる内容が盛り込まれる。

 スマート感に加えて上質な雰囲気が与えられるエクステリアは、フロントグリルとバンパーを一新。大きく切れ上がったヘッドライトは形状こそ変わらないものの、シリンダーがクロームメッキとなり、これまで以上に精悍な表情を見せる。また、メルセデスベンツが先鞭をつけ、人気急上昇中のドアミラーウィンカーも上級モデルに、LEDテール&ストップランプは全車に標準装備されて見た目、機能性、満足度のすべてが高まる。加えてテールゲートスポイラーが大半のグレードに標準装備されるなど、スポーティ度もグッと向上。

 ブラックとシフォンベージュの2色から選べるインテリアは、その違いが強調されて高級感に磨きがかかる。さらに、メーターパネルとセンターコンソールも新デザインに切り替わり、AM/FM電子チューナー付CDプレーヤーには新たに大きな液晶パネルも追加。エアクリーンフィルター付フルオートエアコンも新設定される装備のひとつだ。

 1.5リットルモデルの7スピードモード付マルチマチックSは、現行のステアリング・スイッチからパドルシフトに一新。スポーク上に設けられているスイッチに代わってオン&オフスイッチが装着され、すべての操作がステアリング周りで行えるようになり、使い勝手が見直される。まさにATスポーツ派のフォローも怠りないのだ。  オプション設定のナビはホンダ自慢のインターナビプレミアムクラブ対応、かつ音声認識機能付の新デザインにバトンタッチを果たし、インパネとのマッチングも改善。

 グレード展開は基本的に「W」「A」「Y」に変わりはないが、「1.5T」に代わって1.5リットルにも「W」と「A」が登場。また、オプション扱いのエアロ仕様は1.3リットル、1.5リットルとも新設グレードとして独立、合計7タイプがラインナップされる。

 大幅に魅力が高まるフィットMCモデルを前に、05年デビュー予定の新型ヴィッツをはじめとするライバル車の開発陣は、いまごろテンヤワンヤかもね。

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リアまわりではLEDストップランプ採用やスポイラーとバンパーの形状変更により、上級かつスポーティな雰囲気が高められる。

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新グレード「S」と「1.5W」に標準装備のテールゲートスポイラー。人気のマイクロアンテナは「1.3A」を除く全車に備わる(「1.3A」はオプション)。 点灯速度の速さと消費電力の少なさ、それに電球交換がほぼ不要になることから注目を集めているLEDテール&ストップランプは全車標準装備。

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アフターパーツ市場でも人気が高まりつつあるLEDドアミラーウィンカーは「S」「W」に標準装備、「A」にメーカーオプションで用意される。 顔を特徴づける切れ上がったヘッドライトはクロームメッキシリンダーに。スポーティな「S」グレードにはボディ同色ガーニッシュが採用される。

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1.3リットル専用オプションの15インチアルミホイールは精悍な9本スポーク。 1.3リットルモデルに装備される新フルホイールキャップ。アルミのような質感がウリ。 オプション設定の1.5リットル専用15インチアルミホイールは現行モデルから流用。 1.5リットル全車に標準装備の14インチアルミホイールも新デザインに変更される。

オリジナリティ強まるシフォンベージュ内装

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現行モデル

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フルオートエアコンと自発光メーターが新設定されるインパネ。シフォンベージュのインテリアはインパネやステアリングホイール、フロアカーペットも専用色に変わってブラック内装との差別化が図られる。

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オーディオや空調パネルも新デザインに変更されて高級感と使い勝手が向上。マニュアルエアコンのコントロールパネルもシルバー色に変わる。

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新デザインのシート生地はセンター部がダブルラッセル、サイド部がスウェード調プリントトリコット。スポーティな「S」と廉価モデル「Y」はブラックのみの設定だ。

フィットMCモデルの主な変更点(編集部予想)
エクステリア
●新フロントバンパー
●新ラジエターグリル
(1.3リットルはブラック、1.5リットルはシルバー)
●新テールゲートスポイラー
●LEDドアミラーウィンカー
●LEDテール&ストップランプ
●マイクロアンテナ
インテリア
●新デザイン独立3眼メーター
●新デザイン・オーディオ&空調パネル
●フルオートエアコン
●パドルシフト式7スピードモードCVT
●シフォンベージュ内装の専用色インパネ&ステアリングホイール&フロアカーペット
はみ出し情報 その1
ボディカラーではプレミアムイエローパール、ローズオレンジM、シリウスブルーM、プレミアムホワイトパールの4色が新設され、計12色がラインナップされる。
はみ出し情報 その2
10・15モード燃費は1.3リットルモデルが現行車比プラス1.0km/リットルの24.0km/リットルに、1.5リットルモデルがプラス0.5km/リットルの20.5km/リットルに改善される。