RX‐8よりひと足先、今年8月に登場する2シータースペシャリティがフェアレディZだ。思い返せば、社内で半ば非公式のままプロジェクトが立ち上がり、ゴーン社長のひと声で本格化したZ再生計画。待望の国内デビューまで残すところ、半年となったいま、スクープ班は量産モデルに触れ、座ることに成功した。
01年の東京モーターショーに続き、今年1月のデトロイトショーでは左ハンドル仕様のZ最終プロトが公開され、現地価格2万6269ドル〜3万4079ドル(1ドル=135円で換算して約354万〜460万円)も発表。今回スクープ班が捕らえたのは左ハンドル仕様で、これから海の向こうへと旅立つ準備が行われていた量産車だ。「どうせモーターショーに出てたんだから、いまさらZなんか見せられても嬉しかないよ」と思うなかれ。量産車に触れたことで、改めて判明した事実も多いのだ。
カタマリ感があり、モーターショーに出展されたシルバーとは趣の異なる黒いZを見てほしい。その性能を誇示するグラマラスなボディを、いちだんと引き締めているのがスーパーブラックの外板色だ。太陽の光を存分に浴びる場所では、新生・日産デザインを象徴する陰影がさぞかしクッキリと現れることだろう。
タイヤサイズはショーモデルと同じく、フロントが225/45R18、リアが245/45R18だが、アルミホイールのデザインが微妙に異なる。この量産モデルが履いているホイールのほうが、スポーク形状がシャープで質感も高い。ただし、ショー出品車のアルミホイールも存在が確認できているため、市販時にはオプションで用意される可能性が高い。また、廉価グレードには215/50R17タイヤとアルミホイールが装備されることも判明。ブレンボ製ブレーキは上級グレードに採用される見通しだ。
縦型のドアハンドルに手をかけ、ドアを開けると、そこには上質なインテリアがドライバーを待ち構えていた。インパネから独立した3眼メーターやアルミ製センタークラスターも健在。さらに、スクープ班はATモデルも捕獲することに成功した。これまで披露されてきたのは6速MT車だが、Zを優雅に操りたいユーザーのためにマニュアルモード付5速AT車も存在することを、改めて証明することができた。シート表皮は黒のファブリックが標準で、タン色やブラック色の本革も選べる。もちろん、スライドやリクライニングは電動調整可能だ。
いよいよ市販化に向けてカウントダウンが始まったZ。この夏はレッドステージのお店が熱くなりそうだ。
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