スクープ

2002年2月


フェアレディZ
日産
触って座って発覚 ショーモデルとこんなにも違う
量産型フェアレディZ
開発作業も終盤を迎え、組み付けられた新型フェアレディZの量産試作。内装にはショーモデルと同じタン色の本革パワーシートが装備されていた。
 
RX‐8よりひと足先、今年8月に登場する2シータースペシャリティがフェアレディZだ。思い返せば、社内で半ば非公式のままプロジェクトが立ち上がり、ゴーン社長のひと声で本格化したZ再生計画。待望の国内デビューまで残すところ、半年となったいま、スクープ班は量産モデルに触れ、座ることに成功した。

01年の東京モーターショーに続き、今年1月のデトロイトショーでは左ハンドル仕様のZ最終プロトが公開され、現地価格2万6269ドル〜3万4079ドル(1ドル=135円で換算して約354万〜460万円)も発表。今回スクープ班が捕らえたのは左ハンドル仕様で、これから海の向こうへと旅立つ準備が行われていた量産車だ。「どうせモーターショーに出てたんだから、いまさらZなんか見せられても嬉しかないよ」と思うなかれ。量産車に触れたことで、改めて判明した事実も多いのだ。

カタマリ感があり、モーターショーに出展されたシルバーとは趣の異なる黒いZを見てほしい。その性能を誇示するグラマラスなボディを、いちだんと引き締めているのがスーパーブラックの外板色だ。太陽の光を存分に浴びる場所では、新生・日産デザインを象徴する陰影がさぞかしクッキリと現れることだろう。

タイヤサイズはショーモデルと同じく、フロントが225/45R18、リアが245/45R18だが、アルミホイールのデザインが微妙に異なる。この量産モデルが履いているホイールのほうが、スポーク形状がシャープで質感も高い。ただし、ショー出品車のアルミホイールも存在が確認できているため、市販時にはオプションで用意される可能性が高い。また、廉価グレードには215/50R17タイヤとアルミホイールが装備されることも判明。ブレンボ製ブレーキは上級グレードに採用される見通しだ。

縦型のドアハンドルに手をかけ、ドアを開けると、そこには上質なインテリアがドライバーを待ち構えていた。インパネから独立した3眼メーターやアルミ製センタークラスターも健在。さらに、スクープ班はATモデルも捕獲することに成功した。これまで披露されてきたのは6速MT車だが、Zを優雅に操りたいユーザーのためにマニュアルモード付5速AT車も存在することを、改めて証明することができた。シート表皮は黒のファブリックが標準で、タン色やブラック色の本革も選べる。もちろん、スライドやリクライニングは電動調整可能だ。

いよいよ市販化に向けてカウントダウンが始まったZ。この夏はレッドステージのお店が熱くなりそうだ。

 

●東京モーターショー出品車

名高いブレンボ製
ブレーキを採用
エレガントなホワイト
パールもあるゾ
空力特性を高める
リアスポイラーだ
一部グレードに装備されるブレンボ製ブレーキ。前後ホイールのすき間からロゴ入りのゴールドキャリパーが見える。 年配ユーザーに似合いそうなホワイトパールは有料色として設定されるだろう。こちらのアルミホイールはショーモデルと同じタイプだ。 両出しテールパイプや個性的なリアコンビランプはショーモデルと変わりないが、リアスポイラーが追加されている。
マニュアルモード付
ATも見つけた
フタの向こうには
DVDナビが置かれている
モーターショーには6速MT車が出品されていたが、ご覧のとおり、優雅にイージードライブが楽しめるAT車も用意される。 スッキリとデザインされたセンタークラスターには大きなフタがあり、開くとナビ画面が出現。ナビ非装着車の場合はポケットが備わる。
ブラックの
シート地も選べるんだ
ボルドーレッドが外観をシックに演出
17インチアルミホイルを履く車種も
タン色の本革シート以外にも、ブラック色の本革シートとファブリックシートが設定される。スライドとリクライニングは電動で行える。 写真ではわかりにくいが、ボルドーレッド(エンジ色)もラインナップ。1インチ小さい17インチアルミホイルには215/50Rタイヤが組み合わされる。