ホンダはタイでフィット・ベースのアジアカーを作り、日本でも03年早々に売り出す計画を進めている。開発コード「AX」は96年に発売されたアジアカー「シティ」の後継車であり、これまでに「排気量は1・3リットルクラス」「20km/リットル以上の低燃費・低公害型エンジンを搭載」「価格は100万円台前半」といったことが明らかになっている。ボディタイプは3ボックスセダンの線が濃厚だ。
“メード・イン・タイランド”の日本上陸だけでもビッグニュースなのに、ホンダはその先も考えていた。ズバリ、中国生産だ。新聞報道などによると、広州に乗用車の第2工場を建設する方向で中国政府と交渉に入っているという。
その結果、04年にも年間10万台規模の生産が始まる予定だが、この工場は中国の内需に対応するとともに、日本を含む海外への輸出拠点としても活用されていく。“メード・イン・タイランド”の1年後には、早くも“メード・イン・チャイナ”のスモールカーが破格の値段で国内投入される可能性だってあるのだ。
これまでのアジアカーと言えば、生産しやすい小型セダンで、言ってみれば“10年前の日本車”みたいなシロモノが多かった。しかし、ホンダがタイや中国で生産するアジアカーは、燃料タンクが運転席下に収められたグローバル・スモール・プラットフォームを持つフィットがベースとなる。使い勝手の良さとフィットの車両価格106万5000〜144万円を下回る破格値でスモールカー市場の台風の目になることは間違いだろう。
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