スクープ

2001年8月


走るAIBO
トヨタ
笑ったり怒ったり表情豊か!!ソニーとのコラボレーション出品車!

東京モーターショー特集のトップを飾るのはトヨタが出品するコンセプトカーだ。ここのところ、トヨタのブースといえば夢がなく、明日の販売につながる出品内容に終始している傾向が強かった。エンブレムを剥がしただけの市販車、別の言い方をすれば、新型車のティーザーキャンペーンの場でしかなかった。99年のショーにソアラ、エスティマ・ハイブリッドの前身となるクルマが出品されていたのは記憶に新しい。

ところが、である。この秋開催される第35回東京モーターショーのトヨタ・ブースは夢にあふれている。本誌スクープ班の情報アンテナに引っかかった話では、なんとトヨタがソニーとのタイアップでコンセプトカーを製作しているというのだ。さらに、そのモチーフは世間で話題を呼び、おもちゃ業界にも旋風を巻き起こしたあの電子ペット「アイボ」だという。コンセプトカーながら、ほかのクルマ同様、トヨタ社内では開発コード720Nが与えられているものの、社内ではすでに「アイボ」の愛称で呼ばれている。


本誌スクープ班がキャッチした情報をもとに、IT技術満載のコンセプトカー(開発コード720N)を予想してみた。ヘッドランプはいろいろと表情が変わる仕掛けだ。

もっともアイボらしさを感じるのはフロントマスクだろう。スクープ班がつかんだ情報によると、丸目ヘッドランプにLED(最先端技術を駆使した青色の可能性大)を使うことで自由に表情を変えることができ、ターンテーブルの上から来場者に笑いかけることも想定して開発されているようだ。まさに「笑うクルマ」である。全体のシルエットはノーズが短いモノフォルムで、ヴィッツ級のサイズにまとめられる。

ほほえましい容姿からは想像しにくいが、トヨタが誇るIT技術も盛り込まれる。内装にはステアリングホイールがなく、次世代の操縦方法が提案される模様。こういった箇所でソニーが威力を発揮してくる可能性が高い。例えばジョグダイヤルやメモリースティックを採用したり、AV機器を搭載したり。トヨタとソニーの2大巨人が手を結ぶだけに、内容には期待してよさそうだ。

ブース展開は現在も検討中の部分が多いが、アイボが引き立て役として登場する可能性もある。そうなれば当然、ソニーの名前も大々的にアピールされるだろう。こんなに楽しげなクルマが現れるのだから、今年のショーは絶対に足を運びたい。いまからカレンダーをチェックして、幕張メッセに行く日を決めておこう!

フランクフルト出品の
3Lカーも駆けつける!

東京モーターショーに先立ち、トヨタはフランクフルトショーでコンパクトな3Lカー(燃料3Lで100km走行できるクルマ)を披露する。ヴィッツ級のボディに4人が乗車できるキャビンを備え、外観デザインも空力特性を重視して絞り込みの強いカタチが採用される。また、パワーユニットにはハイブリッドではなく、オーソドックスで軽量化も図れるフツーのガソリンまたはディーゼルエンジンが起用されるとのこと。フランクフルトと東京での反響を見て、場合によっては市販化も検討するとの情報もある。なお、先頃発表されたPSA(プジョー)グループとの共同開発車とは別のクルマなので、混同しないようにね。

トヨタの3Lカーはヴィッツのフォルムをさらに絞り込み、リアハッチもなだらかにしたイメージだという。