スクープ

2001年12月


アコード
ホンダ
セダン不況をブッとばせ!!真の4ドアスポーツ目指す
“走り”のアコード
アルテッツァ、レガシイB4蹴散らす最強のFFスポーツセダンへ進化合言葉は“4ドアのS2000”だ
駆動方式はFFだが「目指すはセダンのS2000!!」という開発陣の合言葉のもとに作られる次期アコードのライバルは、アルテッツァやレガシィB4。ハイパワーに頼らないバランスを追求した「走りを愉しむためのクルマ」を、ホンダ流のFFで実現しようという志の高いスポーツセダンなのだ。
 
そんなナマやさしいもんじゃない! 今度のアコードは気合いの入った“激変”だ!!――本誌1月号のスクープから引き続き次期アコードを追っていたスクープ班がキャッチした情報は十分に衝撃的なものだった。

まるでS2000を4ドア化したようなスタイリングは、スペックを聞かずともそのスポーツ・パフォーマンスを物語る。開発コンセプトも、「FFでも、S2000のセダンと言えるパフォーマンスを実現する」というものだ。ホンダが、というより現場の開発スタッフがそれほどまでの熱意を注ぎ込んで作り上げているモデル。次期アコードは、いままでのキャラからは想像できないほどアツいセダンに変貌するのだ。

現行アコードではスペシャルチューンモデル「ユーロR」をラインナップするが、これはあくまで“チューニング”モデルにすぎない。

しかし、新しいアコードではフルに新設計されるプラットフォームの段階からスポーツセダンを意識して開発される。居住性重視の結果シビックのプラットフォームに採用された『フラットフロア設計』も、アコードではリアサスペンション設計の自由度を失うということで採用が見送られた。それほどまでに、走りを追求している証拠だ。

また“それ用に設計”されるということは、単なるチューニングとは大きく異なる。ただパワーを追いかけるだけのためにエンジンを換装したモデルとは一線を画し、走る・曲がる・止まるという基本性能を根本から煮詰めることで、走りを楽しむためのスポーツセダンを作り上げる。目指しているのは、そういうクルマだという。

あえて多角的なラインナップ展開は行わず、基本3+1グレード(1月号スクープのグレード展開参照)というシンプルな体系としているのも、“スポーツ・アコード”に特化した結果と言えるだろう。

さて、アコードといえばワゴンの存在も気になるところだ。セダンより数カ月遅れでデビューするといわれるワゴンも、すでに販売店幹部へのお披露目をすませたとの情報があり、少なくともデザインは決定していると考えていい。

最大の特徴となるリアエンドは現行ワゴンから一転、スパッと垂直にカットされたようなスタイルを採用。後ろ姿を引き締めるリアコンビランプは、なんとCR-Vなどのようなタテ型テールランプになるという。

同じクリオ店扱いのアヴァンシアがモデル廃止となることから、その顧客もカバーする位置づけとなるアコードワゴンは、セダンよりやや落ち着いた味付けが施されそうだ。

現行アコード
現行の日本仕様では5ナンバーサイズのアコードも、新型では世界共通ボディの3ナンバーサイズに。
 
アヴァンシア統合するワゴンは落ち着いた大人のイメージに
アヴァンシアの廃止にともない、その後継としての意味も持つことになるアコードワゴン。現行モデルとは大きく印象を変え、スポーティかつジェントルなワゴンに生まれ変わる。
 
エンジンは3タイプ確定V6はワゴンに搭載か? アヴァンシア自身はモデル廃止へ
エンジン
アヴァンシア
1月号のスクープでも報じたように、セダンに搭載されるエンジンは155psと220psの2リットル、そして新開発2.4リットルの3タイプだ。220psの2リットルi-VTECエンジンはインテグラ・タイプRと共通で、6速MTと組み合わせてこれを搭載する「EURO200S」がもっともトンガったグレードとなる。そのほかのエンジンにはATが組み合わせられる予定だ。また、国内向けワゴン(と北米向けセダン)には3リットルV6の搭載も予定され、エンジン排気量的にはセダンよりやや上級ということになる。 その中途半端なコンセプトが災いしたか、はたまた同じクリオ店で販売されるアコードワゴンとの競合に負けたか、販売不振の続くアヴァンシアは一代かぎりでモデル廃止されることが決定した。現行モデルでは2.3リットル直4のみをラインナップするアコードワゴンが、次期モデルでは2.4リットル直4のほかに3リットルV6も搭載するという背景には、廃止されるアヴァンシアを補完する意味も含まれているわけだ。次期アコード登場後しばらくは継続販売されるが、04年には終止符が打たれる。