スクープ

2002年3月


トヨタ新型ミニバン「760N」
トヨタ
テストコース走る怪しげなクルマ
“ストレッチ・スパシオ”の正体は・・・
丸印の部分を見ると、ボディを切り継ぎしていることがわかるスパシオ・ベースの『760N』先行試作車。ガムテープはボディ長をごまかすための擬装だ。
 
クラスアップしたイプサムとスパシオの間を埋め、また相変わらず快進撃を続けるストリームの牙城を食い止めるべく、トヨタが03年1月に放つ新型5ナンバーミニバン。それが開発コード「760N」と称するニューモデルだ。スクープ班では、その存在を01年11月号でスッパ抜き、また12月号では開発基本案やスケジュールのスクープに成功した。

さて、その開発スケジュールによれば、「760N」はこの1月に正式デザインが決定し、現在は秋の量産試作に向けて盛んに走行テストを行っているはずだ。

そこへ、スクープカメラマンがこんな写真を持ってきた。一見、ただのスパシオ。でも、あちこちに貼られたガムテープや、間に合わせのヘッドランプなど、怪しげな匂いがプンプンする。第一、現行モデルの耐久テストなどを行うのに、ここまでカモフラージュする例は聞いたことがないし、その必要もない。

スクープ班は、このテストカーこそ「760N」の先行試作車である、と見る。これは、ほぼ間違いない。 すでに判明している事実の中に、「760N」は基本コンポーネンツをカローラ系と供用するという要件が盛り込まれている。しかも7人乗りのミニバンなのだから、先行試作車のベースとしてスパシオを使うのは当然と言える。

また、「760N」はホイールベース2750mmで開発が進められている。テストカーの写真をよく見ると、ボディ後半がストレッチされていることがわかる。リアドアのサッシュが不自然な形になっている(写真の赤丸部分)のが、なによりの証拠だ。ホンモノのスパシオよりドアが長い、ということは、すなわちホイールベースが伸びていることを意味する。スパシオと「760N」のホイールベースの差は150mm。フロントドアより明らかに長いテストカーのリアドアの"延び具合"は、ちょうどそのくらいだ。

すでに確定しているはずのデザインを、コースにさらすことはなかった「760N」だが、ホンモノのボディがテストを開始する日も近い。はたしてどんな姿を見せてくれるのか、これからがスクープの本番だ。

 

スクープ班がつかんだ開発計画によるとデザインは1月に確定しているはず。イラストはスクープ班の予想デザインだが、はたしてどんな姿になるのか…。


カローラフィールダーにターボ搭載!?
サイドスカート、アルミホイールを装着したエアスクープ付きフィールダー。まるで、こういうグレードが追加されると言わんばかりの仕上がりにも見えるが…。

テストコースにはいろいろなクルマが走っているが、このクルマもそのひとつ。写真では見にくいかもしれないが、ボンネット上にエアスクープがあるカローラ・フィールダーだ。ボンネットに穴が開いているということは…そう、インタークーラーターボが搭載されているという証拠。

もちろん、国内にはそんな仕様のフィールダーは存在しない。一方、ヨーロッパで販売されるカローラには2リットルディーゼルターボの設定があるのだが、インタークーラー付きとなると5ドアハッチバックに限定される。

これが欧州仕向けだったとしても未見のモデル、ということだ。よ〜く見れば、サイドスカートまで付いているこのテストカー。こんなグレードをぜひ追加して欲しいものだ。もうひとつ、可能性として考えられるのは新型カルディナ・ターボの先行試作車。それにしては、ほとんどボディはイジられていないが…。