スクープ

2001年12月


760N
トヨタ
「打倒ストリーム」めざす
お手頃プライスの新ブランド
スクープ班が予想する新型5ナンバーミニバンの外観フォルム。Dピラーにはイプサムと同じく、台形デザインの力強いテイストが採用される。低価格と若々しいスポーティな雰囲気でストリーム追撃を狙う。
いま開発が本格的に進んでいる「760N」の役割は、3ナンバーサイズに昇格したイプサムと、カローラ・ベースのスパシオとの間で広がったミニバンラインナップの空白を埋めることだ。混雑した都市部や、狭い市街地でも使い勝手のよい5ナンバーサイズと、大人6〜7人がキチンと座れるユーティリティ、そして手頃な値段を武器に、ホンダ・ストリームをはじめとするライバル勢を追撃する。現時点では開発の主導権を握っているトヨタ車体によって3案が提案されており、02年1月に正式デザインが決まる見通しだ。

まず「A案」は、4450mm×1695mm×1590mmのボディにオーパと同じ1AZ-FSE型2リットル直噴D-4直4エンジン(152ps)+スーパーCVTを搭載。売りは当然"“クリーン&低燃費”だ。ミニバンながら10・15モード燃費で16・5km/リットルをめざすというが、これはライバルのストリームと比べて2km/リットルの差をつける計算だ。シート配列は2-3-2の7人乗りで、高級感あふれるオプティトロンメーターやCD&MDオーディオ+6スピーカーなども装備している。

「B案」は、ボディサイズこそ同じだが、パワートレーンを1ZZ-FE型1・8リットル直4エンジン(136ps)+4速ATに最適化し、コストパフォーマンスを重視したプラン。装備やシート配列は先に紹介したA案とほぼ同じだ。

ところが、最後の「C案」だけは先の2案とややコンセプトが異なり、4500mm×1730mm×1590mmの3ナンバーボディに2AZ-FE型2・4リットル直4エンジン+5速ATを積む。シート配列は2-2-2の6人乗りで、2列目には高級ミニバンを思わせるキャプテンシートが備わるのもウレシイ。

1月のデザイン決定から1年後の03年1月には量産開始という、トヨタの底力を見せつける開発スケジュールだけに、シャシーにはカローラのものが部分的に流用され、エンジンまわりはアリオン/プレミオと共用される。また、ストラット式フロントサスペンション&トーションビーム式リアサスペンションもカローラの部品が使われる見通しだ。なお、駆動方式はA案とB案がFF&4WD、C案がFFのみ。

インテリアデザインは、主要購買層となるヤングファミリーやカップルに焦点を合わせ、豪華というよりはシンプルでスポーティに仕上げられる。シフトレバーはインパネに組み込まれ、トヨタがGAZOOとMONETも包括して02年から展開する新世代ネットワークサービス「G-BOOK」端末もつく。

低迷する経済情勢や、同車に与えられたポジショニングを考えると、現時点での有力候補はA案かB案だろう。デザイン案が決まるのはもうすぐだ。

 
クラウン・セダン
予想発表時期02年1月7日追加モデル
クルーガーV
予想発表時期02年1月9日追加モデル
クラウン・セダン
クルーガーV
クラウン・コンフォートをベースに生まれ変わったクラウン・セダンに待望の3ナンバーボディ車が追加される。現行セダンは5ナンバーサイズに集約されているが、やはりハイヤー業界では3ナンバー車の要望が多く、大型バンパーと大型サイドプロテクションモールを装着することでボディサイズを拡大。この結果、全長は145mm、全幅は15mm大きくなる。また、アルミホイールが標準化され、リアには「Royal Saloon」のエンブレムもつく。ちなみに、ベース車は6気筒LPGエンジン搭載のスーパーデラックス“Gパッケージ”だ。 モデリスタがドレスアップを手がける「エアロクルーガー」が発売され、若年ユーザー層への売り込みに力が注がれる。専用エアロパーツやアルミホイール、ローダウンサスペンションでスポーティさに拍車をかけ、販売台数の増加に乗り出す。同時に特別仕様車「ナビパッケージ」も発売され、ナビゲーションシステムを装備しながらも、お買い得価格がアピールされるだろう。なお、既存モデルにも小改良が施され、これを機にカローラ店にも投入されるとの情報あり。カローラ店向けの名称はクルーガーL!?