イプーことトヨタの人気ミニバン、イプサムが5月に世代交代を果たした。発表前から本誌がスクープしていたように、2代目は居住性と質感の向上を狙って3ナンバーサイズに飛躍し、宿敵オデッセイと同じ土俵に上がった。その結果、イプサムから派生した上級車種ガイアとの位置付けも逆転し、いまやサイズもエンジン排気量もガイアのほうが下になってしまった。「旧イプサムの居住性は“並”レベルだったけど、あの手頃なボディサイズがよかったのに…。スパシオでは役不足だし、かと言ってガイアは基本設計の古さが気になって購買意欲が湧かない」と感じているユーザーも多いことだろう。
しかし、トヨタはキチンと計算していた。イプサムが上位移行することで生じたギャップに、新しいミニバンを投入することがスクープ班の調査でわかったのだ。開発コード760Nを与えられた新型ミニバンは5ナンバーサイズをセールスポイントに掲げ、これまた人気を博しているストリームとの対決に挑む。
見えない部分のコンポーネンツにはカローラのものが流用され、短期間・低コスト開発が進められている760N。いまのところ、搭載エンジンは1.8L(1ZZ型)と2L(1AZ型)が検討されているが、イプサムと同じ2.4L(2AZ型)も視野には入れられている。ただし、イプサムやエスティマとのすみ分け、トヨタ・ラインナップでのヒエラルキーを考えると、2.4Lは見送られる可能性が高い。
開発はグループ企業のトヨタ車体が主導権を握っている。すでに先行開発車(開発コード751N)を使ってメカまわりの開発が先行しており、年内をメドに751Nは役目を終える見込みだ。また、同時に外観デザインの検討も行われており、複数のデザイン案が出されているようだが、どれも同じトヨタ車体が手がけたオーパに似たシャープなテイストが特徴のようだ。
スクープ班では03年初頭の発売まで、この新型5ナンバーミニバンを追いかけていく。これから詳細が煮詰められ、決まっていくようすを続報としてお伝えできるものと確信し、今回の第一報を終わる。
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