スクープ
2005年 12月

 プリウス  トヨタ
590L社内呼称
第3世代に進化するTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)載せて
3年後に登場

予想発表時期:08年10月
●全長×全幅×全高:4435mm×1745mm×1490mm
●搭載エンジン:1.5リットル 直4ハイブリッド
本誌独占スクープ初期開発に着手

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優れた空力特性を保ったまま、キャビンスペースの拡大が図られる3代目プリウスの予想フォルム。Aピラーはいちだんと前進し、さらなるショートノーズ化が図られる。
新技術&改良ポイントで見どころ満載

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現行モデルの弱点である後席頭上スペースを拡大
 一種の流行と呼んでも過言ではないほど、日米でハイブリッドカーに対する注目度が高まっている。原油高も追い風になっていて、国内でもMCでリフレッシュしたばかりのプリウスは納期が半年近いという。そんなウハウハな状態に安堵することなく、トヨタが早くも新世代プリウスの開発に乗り出したとのニュースをキャッチ。どこよりも早く第一報をお届けする。

 3代目プリウスのキーワードは「ニュー・バリュー・シナジー」。開発コードは590Lで、デビューは約3年後の08年秋に予定されている。いまは基本コンセプトの煮詰めとボディの内側をなすパッケージングが検討されている段階だ。現行モデルに対して寄せられているコンプレイン(不満)を解消することが念頭に置かれており、シャシーには新型RAV4から採用が始まった新MC(ミディアム・コンパクト)プラットフォームが用いられる。とくに重視されているのが後席まわりのスペース拡大で、これは現行モデルが空力特性を最重視したために犠牲になってしまったリアシートの居住性およびラゲッジスペースを広げることが狙いだ。

 併せて搭載される新技術も見逃せない。03年デビューの現行モデルから使われているTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム) タはさらなる進化を遂げて3代目にバトンタッチ。エンジンの頭脳とも言えるECUの刷新や電気抵抗を減らすために回路数を減らすなど、さまざまな工夫が施されて10・15モード燃費は前ページに掲載したように40km/リットル が目標に定められている。目標とはいえ、それをキッチリと達成するのがトヨタ開発陣の恐るべきところ。加えて0→100km/h加速タイムも10秒を切るというから、並みのガソリン車を上回る性能を持ち合わせることが簡単に想像できる。

 現行モデルで「頼りない」と評判が芳しくなかった走り味はMCで改善されたが、3代目ではタイヤが185/65Rから195/65Rに拡大されて基本性能がいっそう高められる。スポーティなツーリング系には215/45R17タイヤがおごられる計画もあるという。また、欧州とオーストラリア向けに限ってはリアディスクブレーキも新採用。

 優れた燃費を弾き出すために軽量化にも力が注がれる。例えば外板パネルではボンネットフードとハッチゲートに加えてサイドドアもアルミ化。高張力鋼板の採用面積も拡大される。

 外観デザインは見てのとおり、Aピラーが前方に出されてノーズが短くなり、前進感を強調。懸念の後席頭上スペースを確保するためにルーフの下がり具合は抑えられ、ややワゴンっぽいルーフの長いシルエットとなりそうだ。ちなみにボディサイズは4435mm(現行モデル比マイナス10mm)×1745mm(同プラス20mm)×1490mm(同+−0)で、ホイールベースは2700mmに据え置かれる見通し。

 現行モデルで初採用されたインテリジェント・パーキングアシストに続き、目新しい装備も数多く盛り込まれる。フロントウインドウに速度や警告灯を表示することで運転中の視線移動を減らすヘッドアップ・ディスプレイ、アルファードに採用済みのレーンモニタリングシステムを進化させたレーンチェンジサポート、そして注目度の高いLEDヘッドランプなど、時代の先端を行くハイブリッドカーにふさわしいアイテムが揃う。

 当分の間はパッケージングの構築とTHS IIIの開発が先行して行われ、正式な商品化は07年に入ってから決まる予定だという。そこから丸2年を待たずして08年秋にも現れる新プリウスを本誌スクープ班は今後も追い続ける。

■次期プリウスの月販目標台数(編集部予想)


■次期プリウスのボディサイズ(編集部予想)


■次期プリウスの主な開発プロセス(編集部予想)


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