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■メガーヌで欧州ハッチの真髄に触れる

ルノー・メガーヌを解りやすく言うとこうである。街乗りではドイツ車のように重厚でジェントルに、でもイザ本気モードに突入するとイタリア車のごとく振りまわす醍醐味がある、というもの。ようするにドイツ車とイタリア車の良いところ取り、というわけ。
で、具体的に言うと、長所その(1)基本設計の確かさ。80年代はサバの生腐れ(!?)とも言われていたフランス車ながら、ルノーはそんな皮肉に屈することなく地道な努力と投資をつづけ、今やライバルたちを凌駕するボディ剛性/安全性/製品クオリティを手に入れた。その(2)EPSに頼らない走行性能の高さ。電子デバイスの優秀さはクラス随一。もちろんそれなしでも限界時の操縦安定性はなかなかのもの。その(3)他に類を見ないエクステリアデザイン。日本で言えばトヨタのような存在ながら、いつもアグレッシブなデザインを採用するルノー。このメガーヌも全世界で売らなきゃならないのにこのフォルム。チャレンジャーである。
逆に気になる点は、短所その(1)電気式パワステと16インチタイヤとの相性悪し。出始めのころと較べればかなり良くなってはいるものの、まだ日産車と較べると電気式パワステが未成熟。それにタイヤとの相性も良いとは言えず。その(2)中途半端なATプログラム。ドライバ-のウデでどうにでもなるとは言いながら、普通の人にとって馴染みやすいとは言いがたい設定。その(3)不安がつきまとうディーラー対応。まだディーラーのスキルが均一じゃなく、ハズレを引いてしまうと不愉快な思いをすることもチラホラと。早急な対策を望む。
といったところがメガーヌのアウトライン。気になる点はいくつかあるものの、“濃い”ヨーロッパ車の味を堪能できる貴重な存在であることは間違いない。自動車の本質を理解しているマガジンX読者だから、ぜひ一度ルノーのステアリングを握ってみては、と薦めたいのである。
個人的イチオシは一番しょぼい1.6LのMTながら、ワゴンやミニバン(グランセニック)、オープン(グラスルーフ)、それに過激なスポーツモデル(RS)もある。粋な衣装の下は生真面目な仕事、それがメガーヌであった。

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