SPECIAL企画
ヒーロー伝説
トヨタ・ソアラ2800GT
■80年代を象徴するスペシャリティカー

「トヨタ流高級スペシャリティカー」。
まさに日本人ならではの発想によって形作られた、日本人のための高級車。
多くの一般市民は驚き憬れ、お金持ちは自慢げに乗りまわした。

それは眩しいばかりに輝いていた。
心臓部は当時の自主規制145psを大きく打ち破る、170psを絞り出す直6DOHCユニット、インパネ周りは夜のネオンサインのごとく煌びやかさ、さらには300万円近い価格も群を抜いて高価だった。

もちろん、すでに日産がレパードを発売していたこともあり、初のスペシャリティカーというわけではなかったし、積み木を積み上げたようなボディデザインはコンサバティブに過ぎた。

しかし、わが国における80年代特有の軽薄さや贅沢さを象徴するクルマとして、一世を風靡したのであった。
ソアラは言い替えれば、何百万枚もの記録的なセールスを記録し、人々が熱狂したにもかかわらず、ブームが去ったあとは地方都市のディスカウントストアで、二束三文でワゴンセールされるCDのような物である。
もう大衆は見向きもしないし、熱心家には何の価値もない存在。

ただ、たしかにワタシたちはあの時、あの時代を生きていたのだ。
今、振り返ってみると少しばかりの照れくささと、懐かしさを伴ない思い出されるソアラ。
やはり日本の自動車史において忘れられないクルマであることは間違いないのである。

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