編集部blog
[2008/7/15]
【連載33】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話

12-3)もうひとつの「黒革の手帳」

われわれはマスコミである。以前にも書いたが、間違っても取材源を明かすことはない。相手の事情にもいちいち言及などしない。だから、当たり前だが、こちらから取材源が困るようなことは、何があってもしないのである。警察権力も憲法で保障された「報道の自由」に踏み込むようなことは、めったにしない。
私も逮捕拘束されることはなかった。もちろん、マガジンXがスクープ記事において、ダメージを受けることもなかった。これは、とにもかくにも、私が持つスクープノウハウである、もうひとつの黒革の手帳のおかげであった。
結局、被疑者には「住居不法侵入」で執行猶予付きの有罪判決がでた。この事件は当時、ローカル紙で報道されたから、憶えていらっしゃる方がいるかもしれない。
マガジンXのスクープに関わった20年間は、それはもう色々な経験をさせてもらった。ここまで書いてきたことは、まだそのほんの一部である。機会があれば、続きを書きたいと思う。
ひとつ言えることは、こうした過去の教訓があり、それでもなお、後輩たちの不断の努力により、マガジンXのスクープは、「世界一」を維持しつづけているということだ。これは断言できる。
ひとによっては「競合他誌のスクープが優れている」という。確かに車種によって先にスクープ情報が出ることがないとは言わない。だが、年間を通じて、独自の取材源を持ち、自動車メーカーと一線を画しながら、細大漏らさず新型車をスクープし続けているのは、マガジンXだけである。他誌のスクープ担当編集者も、そう思ってくれているだろうと思う。ネッ、○○さん。
私たちの立場で言えば、ずっとマガジンXを読んでくださっている読者の皆さんに対し、新車スクープ情報において「編集部で情報が取れなかった」あるいは、「同じスクープがXでは読めなかった」、などというようなことがあってはならないと思っている。
間違っても、こうした印象が読者の方々に残らないよう、常に情報を網羅し続けることこそが大切である。
「マガジンXを読んでいれば、新型車のデビュー前の情報も細かく分かるし、登場後は「ざ・総括」で、競合他誌にない批評が読める」
これこそがマガジンXの本筋だと確信してやまない。
マガジンXは近々、さらにパワーアップして登場すると言う。
私も読者の一人として、後輩たちの頑張りに期待したい。そして、読者の皆様には、厳しくも温かい目でマガジンXを育ててやってほしい。私をそうしてもらったように。
皆さまには、本誌、サイバーXともども、これからも引き続きのご愛読を御願い申し上げつつ、一旦は筆を置くことにする。(完)
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