編集部blog
[2008/7/11]
【連載18】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話

6-3)混浴露天風呂でネタ収集

スクープ写真を撮るためには、やはり情報収集が不可欠である。耐寒テスト写真を撮りたいと思ったら、まず近くの宿に泊まる。もちろん、真の目的はあかせないけどね。
前出とは別の自動車メーカーのテストコース近くには、ペンションが1件だけあった。北海道に行くのは、真冬の年中行事のようになっていた。そのペンションのオーナーとも数年経つ頃には、仲良しになっていた。電話一本すると、
「来週からテストチームが来るみたいだよ」とか、
「泊まり客の人が、国道を走っている仮ナンバー車とすれ違った、と言ってた」
なんて情報をくれたりもする。宿舎での夜など、泊まり客同士で、情報交換をして、最新のネタを仕入れることもできた。
さらに別のテストコース近くには、街で1件しかないという食堂がポイントだった。決して美味いとは言えなかったけど、やっぱりご主人は気さくな人で、なんだかんだと話してくれる。
その頃は、だいぶ警備も厳重になっていたと思うけど、メーカーの従業員はともかく、地元雇いのガードマンさんなんかが、立ち寄っていくんだね。
「今度、大型のパネルバンがやってくる」
なんて聞ければしめたもの。そんなのにはたいてい「お宝」が入っているから、荷物の積み降ろしを狙って、スクープしたものさ。
でも、言っとくよ。これはあくまでも昔の話し、いまじゃ、コースは見えない、箝口令は敷かれている、逆にわれわれのような人間が街に入ってきた瞬間には、通報システムがあったりするから、スクープは至難の技だ。
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