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ただ今、エコグランプリのレース展開はこうである。序盤を終わってトップはガソリンエンジンと電気モーターのハイブリッド車。そしていっこうにペースが上がらない燃料電池車を、隙あらば電気自動車がオーバーテイクしようとしている態勢。もちろんピットインのタイミングによってはディーゼルのハイブリッドやバイオ燃料エンジンが一時的にトップに立つことも無きにしも非ず、である。ただしゴールは遥か彼方。誰がトップでチェッカーを受けるのか、いや誰が生き残るのかまったく予断を許さないというのが現状である。
最終目標は電気自動車、皆さんもそう感じているかもしれない。メーカーも電気自動車ならCO2は出さないし移動コストも化石燃料の○分の1、と謳う。これは正しくもあり間違いでもある。そう、もろもろの問題をクリアした場合、という条件付きとなるのだ。たとえ電気自動車であっても万能ではない。燃料電池車が水素の取扱いや高コストでもがいているように、大注目のエタノール燃料が食料問題にまで発展して世間を騒がせているように。
それに現状では電気を作る大部分を化石燃料に頼らざるをえない上、それにより大量のCO2を排出してしまうのは事実。また発電所から家庭までのロスもバカにならないし、リチウムイオン電池だって安全面での不安を完全に払拭したわけではないのである。したがって現在考えうるベーターな方法は、安全面を徹底した上で外部エネルギーに頼らずクルマ自身で発電し、さらにはそれを効率良く走らせることである。
ところで『iMiEV SPORT(アイ・ミーヴ・スポーツ)』である。ほかの何物にも似ていないボディスタイルは、可愛いというよりカッコ良いと表現してもいいくらい。電気自動車として先行開発された「iMiVE」をベース(ということは軽自動車のiベース)にしたとは思えないほどのバランスの良さ。
素晴らしいのはスタイルだけではない。大容量のリチウムイオン電池はロングホイールベースの奥底に、モーターやインバーターはラゲッジルーム下に配置して前後バランスの向上と低重心化を図り、ボディはアルミ押し出し材とダイキャスト材を組み合わせた軽量&高剛性のスペースフレームを採用。心臓部は左右フロントのインホイールモーターとミドに積まれたシングルモーターの3つ。ということは4輪駆動。しかもドライブトレイン系はS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)で緻密にコントロール。ちなみに最高速度は180km/hをマーク。
もちろんエネルギーリサイクルも忘れない。減速時にエネルギーを回収する回生ブレーキ、ルーフには太陽光発電用パネル、また風力発電用ファンがフロントグリルに備わる。そしてコンセントから充電できるだけではなく、マイクロ波による無線充電システムも考えているという。
エコロジーでカッコ良くて速くて楽しくてお財布に優しい……。それが『iMiEV SPORT』。
だからといってすぐさま手に入れることができないのはご想像通り。いや電気自動車そのものは数年のうちに市販化するとメーカーは豪語しているから、2010年あたりには身近な存在になっているかもしれない。でもまずは走行範囲が限定される都市部での商用車からではなかろうか。採算が取れるとなればこぞって買い替えるだろう。会社のイメージも良くなるし。そしてワタシたち一般ユーザーに浸透してきたところでタイミングが合えばスポーツモデルのデビュー、になるかもしれない。あくまでも『iMiEV SPORT』は現在の電気自動車のネガイメージを払拭するためのデモンストレーションに過ぎないのである。
それでもワクワクする何かを感じさせてくれるのであれば個人的には否定しないつもりだ。単純だと言われようとも。それにエコ問題もケチをつけるだけでは何も進まないではないのである。自分が今できることをコツコツやるしかない……。このクルマを見て、ガラにもなくそんなことを考えてしまった編集部であった。
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