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だから開発期間やテスト期間にたっぷり時間を掛けなければならないし、その上コスト管理がそれほどシビアじゃないときているから、コンパクトカー1台作るのにも相当なコストが掛かっているのである。もちろん最低限掛けなければならないと考える費用や労力が、日本人と較べるともともと高いという根本的な意識の違いもある。日本メーカーなら目に見えないところや要求されないところは徹底的に手を抜くのに対し、ヨーロッパメーカーはマジメなのか不器用なのか、けっこう手を掛けて作り込んでくるのだった。というわけで、何百万台売れたとしても、思ったほど利益が上がらないというのが現状なのである。
ルノーは特にそう。メガーヌにしてもルーテシアにしてもセニックにしても相当コストが掛かっている。でも、それもここまで。ゴーン体制となって明らかに変わった。このトゥインゴも、ある重要なポストにいる人間によれば徹底的なコスト管理がなされたという。しかも最近はヨーロッパ人もプラスチックの質感やノイズ&振動といったものを気にしはじめたらしく、そちらの方にも費用と労力を割かなければならなくなり、これまでとは違ったクルマ作りが求められているのだ。
そう、クルマのことを書かなければいけない。1993年のデビュー以来、240万台を生産した初代を受け継いだ2代目は、全長×全幅×全高が3600×1654×1470mm、ホイールベースが2367mm、車両重量が1034kgと、ひとまわり大きく成長している。そして今回の東モには現在のイメージリーダー的存在である、100psの最高出力を発生する直列4気筒1.2Lターボを搭載したGTグレードを持ってきた。
装備は充実している。サイドエアバッグやオートエアコン、クルーズコントロール、スピードリミッター、オートライト、チルト機構付きステアリングなど、初代にはなかったもの。それにUSBメモリーやMP3プレーヤー、iPodなどが接続可能なオーディオボックスを備えるほか、カッティングシートで自分好みにボディデザインをアレンジできるというシステムもある。
居住空間はもともとクラス最高ともいうべきサイズを誇っていたから、広くなった印象は薄い。どちらかというと、ドライバーズシートからの眺めがモノスペース的なものから一般的なハッチバックのそれに変わったのに気づく程度。ただリアシートは少なからず進歩している。足もと/ひざ/肩/頭まわりとも圧迫感は少なく、それから一番後ろまでスライドさせれば180cm前後の人でも拷問にならない程度のスペースが確保されている。もっともそうするとラゲッジスペースはネコの額ほどの容量しかなくなってしまうのだけど。また折りたたみに代表されるアクションは、日本車並みとは言わないまでもかなり理路整然と動くようになり、女性でも悩むことなく操作できるはずである。
ボディデザインに関してはご覧のようにコンサバ路線。初代のキュートさもなければメガーヌの潔さもない。今どきルノーのアイデンティティを上手く取り入れているとは感じるものの、特別すべきアピールポイントは見出せない。ちなみに衝突安全性に関しては、ユーロNCAPクラッシュテストで星4つを獲得したと発表された。
コストダウンの嵐が襲い来るヨーロッパ車。ルノーもそれに飲み込まれてしまうのだろうか。もっともクルマは実際に走らせてみないと解らないものであり、結論を出すのはじっくりテストしてからにしておきたい。それにメガーヌやルーテシアにつづき、このトゥインゴにも『RS(ルノースポール)』バージョンが投入されるというウワサもあり、もしそうなれば新型チンクエチェント・アバルトやMINIクーパーSのJCWといったライバルたちとのガチンコ勝負も楽しみになってくるわけだから。
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