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2008年07月03日

【連載20】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話

7-2)耐寒テストコース

ホンダの鷹栖テストコースにも思い出がある。このコースは幹線道路からの取り付け道路が1本しかないんだ。どんなクルマでも、テストコースに近づきたかったら、その道を通るしかない。

ところが相手もしゃれていて、テストコースまでは、途中で止められることはないのだ。その年は警備の具合が知りたくて、ロケハンだけのために出かけてみた。その1本しかない道路を通って、テストコースの正面玄関までたどり着く。クルマの中から警備員の姿を撮影しただけで、引き返し始める。と、前方からホンダ車が近づいてくるではないか。
くやしいけど、道幅は狭くて、対向車が行き違えるほどのスペースはない。当然だけど、2台は至近距離で立ち往生してしまった。相手の警備員は二人だったけど、こちらはドアに鍵をかけ、窓を開けずにじっと相手を睨みつけていた。相手も決して、私たちのクルマに触ったりはしない。そんなにらみ合いを、10分ほどしたかな、結局、相手は逆走して、道をあけたよ。あのときの緊張感は相当のものだったな。

その翌年、前年のロケハンが利いたか。テストコースの敷地を臨める丘の上から、見事新型CR-Vを撮影することに成功した。覚えてくれている読者も多いと思う。パネルバンから降ろされた獲物を、ファインダー越しに見つけたときのドキドキ感は、いまでも鮮明に覚えている。雪深い山の中を、ラッセルして丘を登り、何時間も待機した苦労なんか、あの光景を目の当たりにした時には、全部吹っ飛んだね。
撮影の後半、テストコース内の警備員もこちらの存在に気がついたようだったけど、前年のロケハンから、相手が何分で道を塞ぐか分かっていたから、今度はうまく逃げられたのを覚えている。でも、みんなはくれぐれも真似しないようにね。

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