明日から8月です。
ガソリンの値上げは決定的ですし、食料品も値上げの嵐です。そんな中、通行量が減っている有料道路の混雑緩和がせめてもの救いでしょうか。ネクスコでは各種の割引料金を設定し、需要喚起を行っています。お盆の渋滞予測も、昨年よりマシな感じです。
http://www.e-nexco.co.jp/road_info/
ガソリンの値上げは決定的ですし、食料品も値上げの嵐です。そんな中、通行量が減っている有料道路の混雑緩和がせめてもの救いでしょうか。ネクスコでは各種の割引料金を設定し、需要喚起を行っています。お盆の渋滞予測も、昨年よりマシな感じです。
http://www.e-nexco.co.jp/road_info/
本誌がそのスタート当初から事業の継続性について、疑問を投げかけていた「モバイル放送」がついにというか、ようやくというか事業の継続断念を発表した。来年3月で放送を終了する。資本金は368億円あまり。
[モバイル放送株式会社]プレスリリース
http://www.mbco.co.jp/05_news/press_archive/080729_01.html
自前で静止衛星を打ち上げ、自動車や移動体向けに番組を有料で配信するモデルだったが、地デジの台頭など、当初から予測されていた事柄に対して、東芝主導で強引に事業化を押し進めてきたツケが回ってきた恰好だ。東芝はトヨタをはじめ、多くの一流企業に出資を要請したが、戦後処理はどうするのだろうか。
OSM(オープン・スタディ・モデル)はホンダがロンドン・モーターショーで公開したライトウェイト2シーターのコンセプトカーだ。「クリーン&ダイナミック」をキーワードに同社の欧州R&D拠点で開発されたスタディモデルではあるが、微妙に現実味を帯びているデザインが興味深い。

エクステリアはスムーズでラウンドしたカーブが多用されており、フロントからサイドに向かって回り込んでいるヘッドランプが特徴のひとつに挙げられる。

一方、インテリアは軽快感を保つためにブラックのような重い色づかいは避けられ、全体がブルーとホワイトで仕立てられているのがポイントだという。メーターパネルはシビックのマルチプレックスメーターに似た上下分割タイプで、ドライバーに必要な情報は目の前のクラスター内に表示。また、操作系はセンターコンソールにまとめられている。

市販車につながるものではない、とホンダは公言しているが、冒頭で触れたように微妙なリアリティがあるだけに、ボクらの期待も高まってしまうね。

先週金曜日、7月11日に群馬県にあるサイクルスポーツセンターで、昨年度スーパーGT選手権チャンピオンの伊藤大輔選手(32歳}が走行中に事故を起こした。一時、意識不明となったものの、幸い、命に別状はない。チームルマン、2&4モータリング社とも「事故があったことは事実」としている。
伊藤選手は「ヘルメットをかぶっていなかった」という。
「チーム ルマン」に所属し、実質的にトヨタのワークスドライバーとして、活躍している伊藤選手はこの日、2&4モータリング社(本田孝文社長)が製作していたビデオの撮影のために、現地でGT-Rをドライブしていた。トヨタワークスドライバーが、日産車で事故を起こしたことについて、業界では物議を醸している。
http://www.bestmotoring.jp/company/
http://www.teamlemans.co.jp/
http://www.gummacsc.com/
日産自動車広報部は「個別の案件については分からない」としている。
群馬サイクルスポーツセンター側は、「今後の対応に変化はない」としている。
2&4社はこの件について、「本日夕刻までに自社HPで発表する」としている。また、事故車両がGT-Rだったのか、改造されていなかったのかなどについては、「コメントを差し控えたい」としている。
三菱は09年ダカールラリー参戦マシンとして「レーシング・ランサー」を開発した。これまでパジェロで連続参戦してきたが、今後ディーゼルエンジンの技術開発を主眼に置くことから、世界戦略車であるランサーがその役割を受け継ぐことになった。

この「レーシング・ランサー」はFIAグループT1(改造クロスカントリーラリーカー)規定にのっとり、2010年から施行される新レギュレーションにも対応。新設計のマルチチューブラーフレームに3リットルV6ディーゼルターボ(260ps/66.3kg-m以上)が搭載され、欧州で先行販売が始まるランサー・スポーツバック(5ドアHB)をモチーフにしたカーボン製ボディパネルで覆われる。ボディは全長4475mm×全幅1990mmで、前後トレッドは1750mmを確保。
ロータスはロンドン・モーターショーで実車披露するイーグル(仮称)の写真を公開した。

このクルマには280psを発揮するトヨタ製の3.5リットルV6エンジンが搭載され、0→60マイル(約97km/h)加速を5秒でこなすという。最高速は160マイル(約257km/h)を記録。
外観ではフロントからサイドへと連続しているウインドウ・デザインが特徴で、リアにはミッドシップ・エンジンの存在を暗示するエアダクトが設けられているという。また、2+2とミッドシップ方式を両立させるためにキャビン・フォワードのレイアウト&デザインが用いられているのもイーグルならでは。
後席は子どもが座れる程度の広さながら、フロントシート下につま先が入るように設計されており、ISO-FIXチャイルドシートにも対応。なお、リアシートのない2シーター版も計画されているとのこと。
正式名称はモーターショー会場のプレスブリーフィング(会見)で発表される。
マツダは8月26日にモスクワショーで披露するクロスオーバー・コンセプト「KAZAMAI」の写真を先行公開した。

本誌最新号のマツダSCOOP特集でもお伝えした同社のデザインテーマ「流れ」に基づいて開発され、おなじみの5角形グリルや流麗なルーフライン、そしてSUVを思わせる22インチタイヤなどが盛り込まれている。また、パワートレーンには次世代の直噴エンジンと新開発トランスミッション搭載が想定されている。
なお、このモスクワショーでは大型クロスオーバーSUVのCX-9もロシア・デビューを果たす。

BMWの人気モデル、3シリーズが05年の登場以来、初めてとなる本格的なマイナーチェンジを受けて欧州現地で発表された。

今年初頭の耐寒テスト模様は本誌スクープ面でもお伝えしたが、あの時テープで隠されていたボンネットフードの変更ぶりが明らかになった。具体的にはフード上に2本のプレスラインが加えられ、いっそうダイナミックな表情へと生まれ変わった。また、グリルやバンパー下部のデザインも見直された。
リアではコンビランプのLED化と形状変更に伴ってトランクリッドを一新。また、走行安定性を高めるためにトレッドは24mm広がった。
パワートレーンでは245hpを発生する3リットル6気筒ディーゼルエンジンが目新しい。
この新型3シリーズはヨーロッパで9月に発売される予定だというから、日本に上陸するのは来年か?


(12-3)もうひとつの「黒革の手帳」
われわれはマスコミである。以前にも書いたが、間違っても取材源を明かすことはない。相手の事情にもいちいち言及などしない。だから、当たり前だが、こちらから取材源が困るようなことは、何があってもしないのである。警察権力も憲法で保障された「報道の自由」に踏み込むようなことは、めったにしない。
私も逮捕拘束されることはなかった。もちろん、マガジンXがスクープ記事において、ダメージを受けることもなかった。これは、とにもかくにも、私が持つスクープノウハウである、もうひとつの黒革の手帳のおかげであった。
結局、被疑者には「住居不法侵入」で執行猶予付きの有罪判決がでた。この事件は当時、ローカル紙で報道されたから、憶えていらっしゃる方がいるかもしれない。
マガジンXのスクープに関わった20年間は、それはもう色々な経験をさせてもらった。ここまで書いてきたことは、まだそのほんの一部である。機会があれば、続きを書きたいと思う。
ひとつ言えることは、こうした過去の教訓があり、それでもなお、後輩たちの不断の努力により、マガジンXのスクープは、「世界一」を維持しつづけているということだ。これは断言できる。
ひとによっては「競合他誌のスクープが優れている」という。確かに車種によって先にスクープ情報が出ることがないとは言わない。だが、年間を通じて、独自の取材源を持ち、自動車メーカーと一線を画しながら、細大漏らさず新型車をスクープし続けているのは、マガジンXだけである。他誌のスクープ担当編集者も、そう思ってくれているだろうと思う。ネッ、○○さん。
私たちの立場で言えば、ずっとマガジンXを読んでくださっている読者の皆さんに対し、新車スクープ情報において「編集部で情報が取れなかった」あるいは、「同じスクープがXでは読めなかった」、などというようなことがあってはならないと思っている。
間違っても、こうした印象が読者の方々に残らないよう、常に情報を網羅し続けることこそが大切である。
「マガジンXを読んでいれば、新型車のデビュー前の情報も細かく分かるし、登場後は「ざ・総括」で、競合他誌にない批評が読める」
これこそがマガジンXの本筋だと確信してやまない。
マガジンXは近々、さらにパワーアップして登場すると言う。
私も読者の一人として、後輩たちの頑張りに期待したい。そして、読者の皆様には、厳しくも温かい目でマガジンXを育ててやってほしい。私をそうしてもらったように。
皆さまには、本誌、サイバーXともども、これからも引き続きのご愛読を御願い申し上げつつ、一旦は筆を置くことにする。(完)
(12-2)もうひとつの「黒革の手帳」
そもそもの動機は、被疑者の自宅マンションに、私の名刺があったことと、私との関連性を被疑者が捜査官に話したために、関係先を捜索したということであった。もっとも、被疑者と私との間に面識はないし、こちらもたまにスクープ情報をくれていた被疑者の個人情報について、その真贋も含めていちいち詮索などしない。知らないことが一番の機密保持になることは、スクープ記者の基本としても、また経験的にも知っているからだ。
自宅の捜索は、主に私の書斎に集中した。向こうもとくに何か証拠品を押収できるとはもともと考えていなかったらしく、自宅での捜索時間は短かったことを憶えている。連載の冒頭でご紹介した「黒革の手帳」は押収されたが、幸いにも、もうひとつの「黒革の手帳」は発見されなかったが。もうひとつの手帳とは、物理的な証拠ではない、私自身の持つスクープノウハウ、で、ある。
1週間後には、任意の事情聴取に応じた。朝から夕方近くまでかかったが、お昼休みもちゃんとくれる。出前のカツ丼が出るのを楽しみにしていたのだが、さにあらず。お昼になると、捜査員から
「午後は1時から始めます。それまで昼食でもとってきてください」
だいたいが、警察署のまわりには、大したお店はないのだが、結局、近くの食堂を紹介され、「カツ丼」を食べた。
(12-1)もうひとつの「黒革の手帳」
20年におよぶスクープ担当記者の歴史の中で、後にも先にも、「家宅捜索」を受けたのは、13年前のあのときだけだ。編集部にガサ入れされたのはもちろん、私の自宅にも捜査員はきた。
愛知県警の所轄の刑事たちは、ガサ入れ当日のかなり前から内偵をすすめていた。
後から分かったことだが、事務所から自宅までの道のりなど、私が説明もしていないのに、クルマに乗せられてまっすぐ最短距離で向う。
「自宅を知っているのですか」
との私の問いに、刑事は
「家族構成も、あなたのだいたいの帰宅時間も分かってますよ」
と、抑揚ない口ぶりで、あっさりと答える。これには正直、ぞっとした。それまで、こちらは尾行されていたことなど、とんと気づかなかったのだから。
後から地団駄を踏んでも遅い。その後、自宅前で「令状」を見せられ、家内も一緒に証拠写真をとられた。
HBがデビュー済みのプジョー308に電動格納式トップ採用のCCが加わる。秋に開催されるパリサロンでの公開に先がけて実車の公式写真が公開された。

先代にあたる307CCの発表から5年を経てリリースされる308CCは存在感あるボディサイズが活かされ、オープン時だけでなくクローズド時にも流麗に見えるスタイリングを心掛けて開発されたという。
新機構として見逃せないのが「エアウェイブ」と称される空調システムで、ヘッドレスト付近から乗員の肩や首に向けて温風が吹き出される。寒い日でもオープンエア・ドライブが楽しめるというわけだ。ただ、このネーミングは周知のとおり、国内ではホンダが車名として使っているだけに、日本導入時にはどんなネーミングに変わるのか興味深いね。(過去にもルノーがクリオを国内専用名ルーテシアで販売し、ホンダの販売チャンネル名との重複を避けた例があった)


11-4)メーカー上層部を怒らせ、呼び出しを喰らう
こんなこともあった。暮れも押し迫ったある年の12月28日。この日はご多分に漏れず、編集部も仕事納めである。
実は前日に広告営業の担当者から連絡があった。
「マガジンXのスクープ記事にメーカーの担当重役が怒っている」
「本社まで謝りに来いと言っているが、どうしたら良いか」
断っておくが、メーカーの広告がマガジンXに入っているのではない。聞けば、他の媒体の広告を止めると、担当重役が、自社の出稿担当者に息巻いているのだそうだ。営業の事情は分からなくもない。
「分かりました。明日行ってきます」と、編集長に告げた。
そして翌日の夕刻である。件の会社の応接室で、担当重役と面会することになった。実は、すでに面会する前から、そのメーカーの東京の担当者、そして現地で合流した出稿担当者はものすごく気を使ってくれていた。二人は異口同音にこういったものだ。
「年末の忙しい時に申し訳ありません。記者を呼びつけるのは止めた方が良いと、具申したのですが、役員に聞き入れてもらえなくて。恐縮です」
先に応接室に入って待っていると、その役員は入ってきた。名刺を交換した後、しばらくの間、沈黙があっただろうか。その役員は、
「まぁ、よろしく頼むよ」と、一言。
拍子抜けである。もっと厳しい叱責が飛んでくるのではないかと身構えていたからだ。言ってきたら言い返してやろうとも思っていたが、実際のところバトルは起こらずじまいだった。それくらいの言葉しか憶えていない。役員の上からの物言いには正直言って呆れるが、利害関係者のこともある。私も
「こちらこそよろしく御願いします」と頭を下げた。このK取締役はすでに引退している。
その後、終電の時間を気にしながらも、東京の担当者と、二人だけの忘年会をやって、その街を後にした。この二つの事例は、自動車メーカー経営者の雑誌に対する姿勢の一端を見るようで、興味深い。
11-3)メーカー上層部を怒らせ、呼び出しを喰らう
以前の連載で「ウラ広報」の話しをしたけど、外国人が社長のあるメーカーでは、マガジンXにスクープされた直後に、「○○自動車から依頼を受けてきました」と、編集部に乗り込んできた人がいた。
ふたりでやってきたのだが、その人たちもちゃんと身分を名乗り、自分たち自身の名刺とともに、○○自動車の責任者の名刺を渡す。
もちろん、スクープの情報源など間違っても明かさない。
相手は「法的措置も辞さない」と脅かしたりしてきたが、結局、かなり長時間粘った末、帰っていった。
この後、私は彼らの言っていることが本当なのか、会社ロゴの入ったその名刺の主に電話をかけてみた。もしかしたら、天下の○○自動車を語っているだけかもしれないと思ったからだ。あんなスマートなイメージの会社がこんなやり方をするはずがない。
ところが意外にも、1本目の電話で簡単に名刺の本人が電話に出てきた。
「あなたが△△さんたちを差し向けたのか?」
やや間があったが、あっさりと
「そうです」
と、流暢な日本語で答えてきた。外人である。聞けば、
「社長が怒っている。だから二人を行かせた」
世界に名を馳せる巨大企業にしては短絡的である。もう少し社内で対策を検討してから、具体的行動を起こせば良いのに。その後、本件について、○○自動車から、問い合わせが来ることはなかった。きっと再建が順調に進んでいるのだろう。その名刺は今も大切に保管している。
編集部の隣のお寺の鐘が鳴った。「ごーん」。お後がよろしいようで・・・。
11-2)メーカー上層部を怒らせ、呼び出しを喰らう
いまでは当たり前になっている開発現場への「カメラ付き携帯電話」の持ち込み禁止。そのエリアに入る手前では、厳重な監視のもと、持ち物チェックが行われ、カメラ付き携帯電話は、すべて守衛に預けなければならない。もちろん、機密保護のためで、これは従業員も含めて例外はない。
機密の重要度に比例して、セキュリティ対策はドンドン高度化する。身分によって、入っていけるエリアは異なる。
ポケットカメラから小型デジタルカメラ、さらにカメラ付き携帯へと、機材もより、小型化、高性能化しているから、メーカーは万全を期しているわけだ。
図面だって、昔は大きな紙の図面がたくさんあったが、ただ、ゴミとして出すだけでは、機密が漏れる心配があるから、シュレッダーにかける。ところが、ただ短冊に切るだけのタイプでは、つなぎ合わせる輩もいたりするから、より細かく裁断できるタイプが登場する。最近では、それすらもなく、紙の出力は最小限に抑えられ、プリントアウトするのも、誰がいつ何を出力したか、きっちり記録が残るようになった。デジタルデータだって、メディアに複製したり、メールに添付したりすると、瞬時にセキュリティ部門に通報がなされる仕組みになっている。セキュリティに対するメーカーのたゆまぬ努力が見て取れよう。
自検協が昨日発表した今年4月末現在の自動車保有台数は前月より6万2120台増えて、7914万2882台となった。ただし、前年同月では減少が続いている。自家用乗用車は前月比でも減少が続いており、保有台数の減少傾向そのものは続いているものと思われる。
http://www.airia.or.jp/number/pdf/01.pdf
マツダ(井巻久一社長)は、取引先部品会社に対する発注額について、価格引き下げ要請を行った、その際、交渉前に発注された部品についても同様に、価格引き下げ後の単価で決済したことから、「下請代金支払遅延等防止法」違反として公取委から勧告を受けた。なお、マツダは今年3月になって、減額分を返還している。
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.june/08062701.pdf
以下はマツダのコメント。
「勧告を真摯に受け止めております。既にあらゆる領域において再発防止策を講じており、今後は全社をあげて鋭意徹底し、引き続き、サプライヤーとの関係を強化し、共存共栄をめざしてまいります。」
石油情報センターが、七夕の日に調査した石油製品小売価格で、全国で最も小売価格の高い県は長崎県だった。ハイオクのそれは198.2円と、最早200円寸前まで来てしまっている。
http://oil-info.ieej.or.jp/price/price_ippan_kyuyujo_syuji.html
都市部では、すでにクルマの通行量が減少してきており、夏の行楽シーズンを前に、皮肉にも渋滞などが減ってきている。道路特定財源が必要と言い張る国交省の「需要予測」にも影響が出るのは必至の情勢だ。
しかも世の中は環境第一の時代。コストの面からはもちろん、地球温暖化効果ガスの排出削減の観点からも、自動車を使った物流や、マイカー利用の減少は、最早、大きなトレンドさえ言ってよい。
道路特定財源の一般財源化が閣議決定されるにいたって、暫定税率の廃止による消費者負担の軽減と、それで財源が足りなければ、行革を徹底した上で、環境あるいは福祉のための支出を想定した増税を検討するべきではないだろうか。国民的議論が求められる。
11-1)メーカー上層部を怒らせ、呼び出しを喰らう
自動車メーカー内部の人に聞いた話しだ。
今ではもちろん、そんなことはないのだが、かつては工場の従業員専用の入口はほとんど、フリーパス状態だった。当然だけど、守衛は立っているし、従業員は写真付きの身分証明書(ID)を胸に着けている。にも関わらず、スルリと入れてしまうのだ。なぜか。
ポイントは「二交代制勤務のちょうど入れ替わり時間」(メーカー関係者)である。昼勤と夜勤の交替する夕方の時間帯は、多くの工場従業員が、社員専用の入口を利用する。
この時間帯、工場を出る人はまぁ、ノーチェックである。じゃあ、せめて入ってくる人はチェックしているのだろうと思いきや、この時間帯は守衛も忙しく、要因不足も手伝って、身分証明書を細かく見ていられない。結局、自社の作業服を着ていれば、胸に着けた身分証明書などチェックしないのだ。実際、出入りの光景を外から観察していると、
「お疲れさまでした」
「オハヨッス」などの声を交わすだけで、チェックはされていなかった。そんな工場では、開発部がある建物のあたりに、結構、無造作に試作車が置いてあったりする。繰り返すけど、今ではこんな工場はない。
ホンダは今月下旬に開催される英国モーターショーで低公害スポーツカーのコンセプトモデル「OSM」(オープン・スタディ・モデルの略)を公開する。

フロントにはホンダ車おなじみの6角形グリルが低い位置に設けられ、ホイールアーチ上からノーズ先端に向かって伸びているヘッドランプとともに個性的なマスクを演出。ボディ後面を包み込むように形成されたリアエンドも空力性能を高めるのに一役買っている。
このスタディモデルはドイツにある同社の開発センターが手がけたもので、市販車につながるものではないという。しかし、将来の商品作りを行うための声を集める目的で出品される。
10-2)玉石混淆スクープ情報の、目利き力
編集部では、得られた情報の分析も徹底的に行う。詳細は企業秘密だけど、スクープ班には、各自動車メーカー開発チームの詳細なデータがあるし、例えば図面の傾向とか仕様も、それぞれ異なるけど、スタッフはそれを見極める目を持っている。
とはいえ、まれにミスることもあるな。
私がようやくスクープ班のキャップになった頃の話しだ。情報筋を名乗る人間からから、スクープ班にアプローチがあった。この失敗談は当時、読者の皆さんへの釈明の意味で、記事にしたことがあるので、憶えている方も多いと思う。
「超ド級」のスクープネタだったので、情報と取材謝礼を交換した。結局、そのネタはガセであることが、本誌掲載後に判明して、後の記事で経緯を説明したはずだ。この件については、競合誌も複数ダマされていた。
また、通信社から購入するスクープ写真でも、失敗はある。とくに外国で撮影されたスクープ写真は、直接スクープ班がカメラマンから買い付ける場合と、通信社を経由して買う場合がある。いずれにしても、被写体がどこのメーカーの何て言うクルマか判断するのは、スクープ班の仕事だ。撮影された環境と、カメラマン氏の所見はついてくるんだけど、その真贋はもちろん、正解を見つけるのは、まさに魚市場での仲買人と同じだね。「目利き」勝負なんだ。
写真から手がかりを探していくんだけど、たまには韓国車を日本車と報じてしまったり、新型車なのか、フルモデルチェンジ車なのか、判断を間違えたりしたことは、正直ある。このあたりは現役を退くまで100%とはいかなかったな。それでも「大物」を手に入れた瞬間の胸の高鳴りは、この仕事ならでは。それを加工し、記事にし、本誌の記事が読者の大反響を呼んで、マガジンXが売れると、えも言われぬ快感にとらわれる。この仕事を、やっててよかったと思う瞬間だよ。
10-1)玉石混淆スクープ情報の、目利き力
スクープ班の手元には、毎日のようにいろいろな情報が届く。とくに私の現役の頃は、いまのようにインターネットが発達していたわけではなかったから、やりとりはもっぱら、電話、FAX、手紙などだ。もちろん必要なら、自ら出かけていって、情報提供者と面会することもしばしばあった。
届けられる情報は実にさまざまで、不正の内部告発はもちろん、何を言いたいのかよくわからない投書や、単なる誹謗中傷の類いも多い。内部告発ものは、私たちスクープ班ではなく、社会面・経済面担当の記者に渡るから、記事掲載されるまで、実は私には分からない。同様に、スクープ班でなければ、どのような情報があるのか、マガジンX編集部内の人間でも知らないものだ。
出張も然りである。スクープ班は特権が与えられていて、「いつどこで誰に会う」ことを事前に報告しなくても、自由に出張ができる。もちろん編集長にだけは言って出ていくがね。
当然だけど、資料の管理も徹底されているし、どこかの媒体や当局のように、内部告発者や取材源の情報を明かすことは絶対にない。
まぁ、だからこそマガジンXが、スクープ専門誌として、唯一25年も続いているんだろうけど。この仕組みは今は多分私が現役の頃より、さらに徹底されていると思うよ。

本誌4月号の北欧・耐寒テスト特集でスッパ抜いたシトロエンのニューフェイス、C3ピカソのオフィシャル写真が公開された。
4080mm×1730mm×1620mmのボディを持つC3ピカソはフル乗車時でも500リットルの荷室容積を誇るマルチパーパス・ビークルだ。また、リアシートは150mmスライドさせられるほか、ワンタッチで折りたたむことも可能。さらに助手席も前倒しすれば長尺物も載せられる。
スクープした際にも報じたように、フロントウインドウは細いピラーを挟んでサイドまで回り込んでおり、キャビンに開放感と明るさをもたらす。
なお、実車はパリサロンで公開された後、09年の第一四半期にも欧州で発売される計画だという。カングーの好敵手として、ぜひ日本にも投入してほしいね。


ティーザーキャンペーンが大々的に展開され、すでにテレビでもCMが放映されているマツダの国内専売ミニバン、ビアンテが正式デビューした。
小学生以下の子どもを持つ20代後半〜40代のファミリーで、本誌スクープ面でも報じてきたようにクラストップレベルのキャビン空間や大きなスライドドア開口幅、階段状にシートが配置されたシアターレイアウトなど、家族に使いやすいポイントが随所に織り込まれている。月販目標台数は3000台で、そのうち80%を2リッター車が占める計画だという。
「2カ月のティーザーキャンペーンによって3000台の予約を獲得した」とスピーチした井巻社長は、マツダが今後、環境性能向上にも取り組んでいく事例として09年にスマートアイドルストップ機構を実用化したり、2015年までにマツダ車のトータル燃費を30%改善(08年比)する目標を掲げている事にも言及した。

9-2)「出禁」と「車貸禁」攻防戦
この話しを憶えていらっしゃる方は、相当のマガジンXエンスーである。
10年以上昔、本誌に「コンシューマーズ・テスト」という企画があった。専門誌として初めてクルマを水の中にダイビングさせて、脱出を試みたり、また火災を発生させたり、雷を落としたりもした。実車を原寸大のラジコンに仕立ててテストしたこともあり、この模様はテレビでも放送されたことを思いだす。
その名物企画の中で、「夏場のエンジン冷却性能試験」を行ったことがある。もちろん、最近のクルマの冷却性能はすばらしいということを、読者の皆さんに分かりやすく解説するにはどうしたらいいか。編集部は知恵を絞り、画期的な方法を思いついた。
それはラジエータ冷却水を使って、お風呂をわかすというもの。広報車のラジエータ・ホースを取り回して、風呂桶の水を温水で湧かして、ビキニ姿の可愛いモデル嬢に実際に入浴してもらったのだ。
これは受けた! 写真一発で、何が起きているのかわかる。下手な数値データを並べるより、よっぽどクルマの性能の良さをアピールできたと編集部は自負したものだ。ところが、メーカーはカチン! ときたらしい。「目的外使用」「事前届け出なし」との理由から、以後、これもかなり長い間にわたって、広報車を貸してもらえなかった。
もっとも、当時、自動車メーカーが新型車を貸し出す際の明確な規定は、あまりなかった。だから、公道走行用のクルマを無届け出で、サーキット走行させたりして、クルマを痛めるなんてこともしばしばだったのである。広報車を借り受けての事故は今でもなくならないが、運転中に死者が出るなどしたため、近年、メーカーサイドも貸借いずれか側で保険加入を義務づけるなど、貸し出し規定を厳しくしているようである。
なお、本シリーズのテーマではないので今回は書かないが「広報チューン」の話しもしたいと思っている。
【広報車】… 自動車のような高額商品を記事掲載するのに、雑誌編集部がすべて自前で用意することは、金銭的にはもちろん、時間的にも不可能である。そこで、メーカー側がマスコミの便宜を図って、新車を原則無料で貸し出している。ただし、台数には限りがあるから、先に借りていた媒体がクルマを壊したりすると、後の予定が狂って結構大変である。「試乗会」というイベントが生まれたのも、時間のない媒体サイドと一度にたくさんの媒体貸し出しニーズに対応できるという両者の利害が一致してのことだ。
9-1)「出禁」と「車貸禁」攻防戦
意外かもしれないが、マガジンXが自動車メーカーの相当厳しいスクープを掲載したからと言って、露骨な形での「広報部出入り禁止」や「広報車貸与禁止」となったことは、私の記憶の範囲では、ない。
もちろん、なんとなく面会を避けられたり、そもそも広報車をはじめから貸してもらえなかったりと言う、いやがらせは年中行事である。
そんな中、過去に二つの象徴的な事柄があった。
ひとつは新車発表会への出入り禁止だ。スケジュールの近い2メーカーの発表会でのことである。詳細は差し障りがあるので、お許し願いたいが、あらかじめ連絡をせず、高級ホテルでの発表会に、アニメのコスプレ姿で女性を乱入させるという大胆な企画を断行した。
会場内はもともと多くのマスコミ関係者でにぎわっていたから、実際に何が起こったのか正確に把握した人は少なかったが、それでも会社の役員から、広報担当者が注意を受けたらしい。
その後、編集部が事情を聞かれて、結局、当日撮影した写真を掲載しないことで、その場をしのいだ。この写真は未だ編集部にある。なお、その後、相当長い間にわたって、発表会の出入り禁止はもちろん、両社の広報部があるオフィスにも、編集部員は出入り禁止とされた。当然である。
なお、当時の二社の広報責任者は、それぞれ一線を退き、現在はひとりがプロ野球球団社長に、もうひとりはサーキットの社長に就任している。
8-2)クルマ業界人から好悪が激しい「マガジンX」
販売会社の営業マンにも、熱烈な読者は多い。彼らは当たり前なのだが、自社の扱い商品の情報はある程度知っている。「ある程度」と書いたのには、わけがある。「1カ月前ルール」というのをご存知だろうか。
エンドユーザーが新車を買ったら、時を置かずにモデルチェンジがあった。こんなことになると、モデルチェンジがあることを知らずにクルマを購入した消費者がワリを食う場合がある。実際、販売店と購入者の間でトラブルが多発した。こうしたクレームを避けるため、お客様の購入後、1カ月以内に新型車が発表される場合には、お客様にあらかじめ情報を伝えようとの業界自主ルールが設けられた。これが「1カ月前ルール」だ。
「スクープされたから現行モデルの売れ行きが鈍った」などと、かつては、メーカーから確証もないままに、非難を受けたマガジンXだが、近年は、メーカーサイドも「消費者保護」の観点から、新型車情報について、情報をディスクローズする方向に転換してきている。いや、むしろ、新型車の販売促進のために、積極的にあるいは早め早めに、新型車の情報を自ら流すようにしているほどだ。
したがって、接客の現場に立つ営業マンには、自社の扱い商品であれば、1カ月か、それ以上早い段階で、新型車の資料などが配布されるようになった。また、半期程度の発表スケジュールなども、営業マンは知っている。ディーラーと親しい読者の方の中には、
「お客様だけにそっとお見せします」
と、上得意客のプライドをくすぐられながら、新型車の資料を発売前に見せてもらった経験のある人もいらっしゃるのではないだろうか。
しかし、である。それでも末端の現場セールスに伝えられる情報には限りがある。販売店の店長クラスでも、実車にお目にかかれるのは、得意客、ホット客向けの内覧会の時がやっと、ということは結構多い。ましてや、ライバル車の情報となると、からっきしである。
そんな時に役に立つのがマガジンXだ。最近では、個人レベルだけではなく、お店単位で、買ってくれている販売会社も増えた。昔は、ショールームに置いてあるクルマ雑誌と言えば、M誌やC誌が定番だった。ところが、最近ではマガジンXをショールームでご覧になる機会も増えたのではないだろうか。
結局、作る人も、売る人も、そしてもちろんクルマを買う人も、欲しいのは、新型車の情報であり、自分たちが知らないライバルの情報だもんね。
8-1)クルマ業界人から好悪が激しい「マガジンX」
スクープ記事が柱のマガジンXだけに、皆さんのような一般の読者だけでなく、業界関係者の方々にも好評をいただいている。もっとも自社について批判されていることも少なくないので、「密かに愛読」して下さっている方もいるようだ。その主な人たちが「開発者」と「ディーラー営業マン」の方たち。
以前、この連載で「マガジンXは発表前の事前試乗会には呼ばれない」と書いた。これは今も変わらないのだが、その昔、新型車発表後に開催される「新車試乗会」には、結構招待されていた。
マガジンXだって、新車の記事は掲載するし、もっと言えば、スクープ記事だって、自動車メーカーにとっては、かなりのティーザー・キャンペーンになっているはずである。だから、メーカーにもよるが、昔は試乗会にも出かけていた。そんな場所では、当然だが、新型車の開発メンバーがたくさんいる。
彼らは、新しいクルマの説明員として会場に姿を現しているのと同時に、彼ら自身もマスコミや自動車評論家のクルマに対する印象について、ナマの声を聞きたいと思っている。
そうした場所では、「スクープされた被害者だから、マガジンXが行こうものなら、袋だたきに遭うだろう」と心配してくれる読者の方がいるかもしれない。ところが、心配ご無用。実は、こうした場所では、マガジンXは大人気なのだ。
「マガジンXさんですか? この前の他社のスクープはすごかった。あれ、ホントに出るんですか?」とか、
「ざ・総括の記事はおもしろい」、あるいは
「どうやってスクープを撮るんですか?」と言った、答えにくい質問までされる。
開発者の方たちは非常に情熱的で、記者との議論をむしろ好むのである。まぁ、それでも広報担当者はひやひやである。話しが高じて、自社の従業員が口を滑らせないかだとか、逆に管理職などは、「けしからん!」と思っている人もいるはずだ。もっとも、そんな人たちはなかなかそばに寄ってこないが・・・・。
しかし、こうしたマガジンXと開発者の「仲いい関係」をヨシとしないのが、会場に来ている他の媒体の編集者や評論家である。もちろん一部であると断っておく。
「なんで、スクープ専門誌のマガジンXを招待するんだ」
「あいつらと一緒なら、オレはもうこない」
なんてのは序の口。人によっては、
「マガジンXに弱みでも握られているのか?」
と、あらぬ疑いを広報マンに向ける人もいたようだ。
メーカーとしても、いたずらに波風など立てたくない。こうしてマガジンXはいつからか「招かれざる客」となり、何年か前までは、かなり長い間、試乗会などには参加しなくなっていた。まぁ、別に取材には困らなかったけど。
それでも最近は、スクープが各自動車専門誌では、最早当たり前になってしまって、そこそこイベントにも参加するようになってきたから、皮肉なものではあるけどね。
7-2)耐寒テストコース
ホンダの鷹栖テストコースにも思い出がある。このコースは幹線道路からの取り付け道路が1本しかないんだ。どんなクルマでも、テストコースに近づきたかったら、その道を通るしかない。
ところが相手もしゃれていて、テストコースまでは、途中で止められることはないのだ。その年は警備の具合が知りたくて、ロケハンだけのために出かけてみた。その1本しかない道路を通って、テストコースの正面玄関までたどり着く。クルマの中から警備員の姿を撮影しただけで、引き返し始める。と、前方からホンダ車が近づいてくるではないか。
くやしいけど、道幅は狭くて、対向車が行き違えるほどのスペースはない。当然だけど、2台は至近距離で立ち往生してしまった。相手の警備員は二人だったけど、こちらはドアに鍵をかけ、窓を開けずにじっと相手を睨みつけていた。相手も決して、私たちのクルマに触ったりはしない。そんなにらみ合いを、10分ほどしたかな、結局、相手は逆走して、道をあけたよ。あのときの緊張感は相当のものだったな。
その翌年、前年のロケハンが利いたか。テストコースの敷地を臨める丘の上から、見事新型CR-Vを撮影することに成功した。覚えてくれている読者も多いと思う。パネルバンから降ろされた獲物を、ファインダー越しに見つけたときのドキドキ感は、いまでも鮮明に覚えている。雪深い山の中を、ラッセルして丘を登り、何時間も待機した苦労なんか、あの光景を目の当たりにした時には、全部吹っ飛んだね。
撮影の後半、テストコース内の警備員もこちらの存在に気がついたようだったけど、前年のロケハンから、相手が何分で道を塞ぐか分かっていたから、今度はうまく逃げられたのを覚えている。でも、みんなはくれぐれも真似しないようにね。
7-1)耐寒テストコース
耐寒テストコースの二大ポイントと言えば、やはりトヨタの士別テストコースと、ホンダの鷹栖テストコースだろう。
[トヨタ]士別試験場
http://www.toyota.co.jp/jp/facilities/facility/05.html
[ホンダ]四輪開発センター(プルービンググラウンド鷹栖)
http://www.honda.co.jp/group/AutomobileRandDCenterPGTakasu/
もちろん、スクープ記者にとっても、ふたつのコースに対する思い入れは深い。
まず士別テストコース。ここには、スクープのポイントがある。
テストコースのアクセス道路でもある国道239号は、コースの脇を抜けるあたりが、峠になっている。このため、峠の頂上あたりからだと、カメラの望遠レンズで、テストコースを疾走するクルマがよく見えるのだ。
ところが敵もさるもの。この峠の麓の両側には、警備車両を配置している。たいていの場合、ランクルとハイラックスのペアである。2台の連携は極めて良い。峠の頂上あたりで停車すれば、すぐさま。ゆっくりと走っているだけでも、2台のクルマが、私たちとの距離を縮めてくる。あんまり悠長に構えていると、警備員はいよいよ徒歩で事情を聞きにくるからやっかいだ。別に国道から写真を撮影するだけなのだから、そんな威嚇行為をやられても動じなければ良いのだが、新人のうちはこれだけで結構ビビってしまうものだ。
テストコース側からも、おそらく望遠鏡でこちらを覗いているのだろう。クルマから降りたらたちまち、あるいは、クルマから降りずに写真を撮っても、テストコース内の危険を知らせる黄色いランプが点灯する仕組みだ。 写真撮影は、こんな具合に毎年いたちごっこをするのだが、ある年、こんなことがあった。こちらはレンタカーのリアシートにカメラマンが隠れている。その峠までは、普通に走っておいて、峠の頂上で、ほんの10秒ほど、やおらカメラマンが起きだして、見事テストコース内の撮影に成功した。
と思った瞬間、おそらく注意はしていたのだと思う。
2台のクルマが、私たちを追いかけてきた。真冬の士別である。晴れた日だと、昼間でも氷点下10度以下なんて平気だ。凍結した坂道をおそるおそる、でも急いで走る。その日はなんとか逃げ切ったが、翌日に再び行ってみると、すでにクルマのナンバーや形状が申し送りされていて、徐行すらできない雰囲気だった。それでも最早、写真は撮影した。2回目は結局、クルマを止めて、相手がよってくるのを待ち構えて、「写真とっても良いですか?」と言ってやった。もちろん、ちゃんと「マガジンXスクープ班です」と名乗ったよ。
6-3)混浴露天風呂でネタ収集
スクープ写真を撮るためには、やはり情報収集が不可欠である。耐寒テスト写真を撮りたいと思ったら、まず近くの宿に泊まる。もちろん、真の目的はあかせないけどね。
前出とは別の自動車メーカーのテストコース近くには、ペンションが1件だけあった。北海道に行くのは、真冬の年中行事のようになっていた。そのペンションのオーナーとも数年経つ頃には、仲良しになっていた。電話一本すると、
「来週からテストチームが来るみたいだよ」とか、
「泊まり客の人が、国道を走っている仮ナンバー車とすれ違った、と言ってた」
なんて情報をくれたりもする。宿舎での夜など、泊まり客同士で、情報交換をして、最新のネタを仕入れることもできた。
さらに別のテストコース近くには、街で1件しかないという食堂がポイントだった。決して美味いとは言えなかったけど、やっぱりご主人は気さくな人で、なんだかんだと話してくれる。
その頃は、だいぶ警備も厳重になっていたと思うけど、メーカーの従業員はともかく、地元雇いのガードマンさんなんかが、立ち寄っていくんだね。
「今度、大型のパネルバンがやってくる」
なんて聞ければしめたもの。そんなのにはたいてい「お宝」が入っているから、荷物の積み降ろしを狙って、スクープしたものさ。
でも、言っとくよ。これはあくまでも昔の話し、いまじゃ、コースは見えない、箝口令は敷かれている、逆にわれわれのような人間が街に入ってきた瞬間には、通報システムがあったりするから、スクープは至難の技だ。
6-2)混浴露天風呂でネタ収集
それから時間を置いて、いよいよテストコース探検だ。テストチームがコースに出ている間に、旅館のロケハンを済ませ、夕方、もう一度、件の宿に向う。
「すいません、予約はしていないのですが、今夜泊まれますか?」
真冬の北海道である。宿泊客は少ない。
「空いてますよ。寒かったでしょう。さぁ、お入りください」
北海道の人は本当に親切である。もちろん、いくらクルマがあると言っても、極寒の北海道である。内陸部では平気で零下20度くらいにはなるところだ。野宿などしようものなら、命さえ危ない。万が一、その宿がいっぱいでも、別の宿を紹介してくれるはずだ。
開発チームも、昼間は一生懸命仕事をするが、そんな場所での楽しみと言えば、「メシ、フロ、サケ」くらいしかない。もちろん日の出が早く、夜が早い北海道では、早寝早起きが基本だ。陽の短い冬場ではなおさらである。
われわれが宿に入ってほどなく、どやどやと団体さんが帰ってくる。彼らがテストチームだ、間違いない。
夕食が終わった頃に、風呂に入る。すでに開発チームのメンバーとおぼしき人たちが気持ち良さそうに湯船につかっていた。お酒も入っているだろうから、湯船ではすぐに打ち解けられる。
「皆さん、お仲間ですか?」
「そうだよ、仕事できているんだ」
「こんな寒い時期に仕事って?」
「クルマのテストをしているんだ」
すでにほろ酔い状態の男性が教えてくれた。隣にいた別の男性は
「コラッ! 口が過ぎるぞ」
と、たしなめる。それでも10日、2週間と出張も長期にわたっているから、人恋しいのだろう。
「真冬の風景を見に来た(実際、そうなのだからウソはついていない)」という私たちを疑わない。結局、クルマの話しなどで、やっぱり盛り上がる。とくに技術者の人たちは、クルマの走りやメカの話しは大好きだ。現行車の改善点や開発中の新しいメカニズムの話しなどで、長湯してしまった。頭寒足熱で長湯ができるのも、真冬の北海道ならではであるが、あまりに話しがリアルになってくると疑われてしまうので、ほどほどのところで先に風呂から上がる。
実は、私たちと書いたのは、カメラマンがこの間に駐車場に置いてある仮ナンバー車の写真を撮っていたのだ。当時はいまと違って、スクープに対するガードは極めて甘かった。なにしろ、塀のない場所で、平気でテストをしていたような時代だから。
いまでは絶対にあり得ないけど、テストコースと宿舎の往復にロードテストを兼ねて、試験車両を使っていたわけだ。古き良き時代の思い出である。
今年6月までの軽自動車の新車販売台数も不調だ。全軽自協の発表によると、半年間の累計で101万4542台(前年同期比3.8%減)となり、2年連続のマイナスとなっている。6月単月でも同2.8%減の16万5730台。15カ月連続の前年同月割れとなった。
[社団法人 全国軽自動車協会連合会]平成20年6月度軽自動車新車販売速報
http://www.zenkeijikyo.or.jp/topics/index_topics.html
6-1)混浴露天風呂でネタ収集
といっても、決して女性と混浴するのではない。混浴する相手は、自動車メーカーの開発者たちである。
北海道には、国内自動車メーカーの耐寒テストコースが集結している。部品メーカーや二輪メーカーまであわせると、ゆうに10カ所は超えるのではないか。
今でこそそれぞれ立派な施設を持ってはいるが、ほんの10年ほど前までは、それこそ敷地はあっても、施設の整備が追いつかず、テストコースの舗装もままならない状態のところがいくつもあった。
いまから15年ほど前だったろうか、あるメーカーの開発チームが大挙して、自社の耐寒試験場に来ていた。とは言っても、施設が未整備である。とりわけ開発チームの宿舎は建設が後回しにされているらしく、近くの温泉場を定宿にしていた。
「いま、○○自動車の方々は泊まっていらっしゃいますか?」
どこの宿かは、事前に調べがついている。
「はい、●月△日まで、ご予約が入っています。同じ会社の方ですか?」
との宿側の問いかけには答えず、電話を切る。予約などしない。
自販連が発表した今年1月から6月までの自動車登録台数(軽自動車除く)は、前年同期比99.1%の177万1628台。6月単月でも同96.4%の28万1261台と同1万台以上落ち込んだ。乗用車は6月までの累計で101%と健闘しているものの、貨物車が同86.9%と景気低迷、ガソリン価格の高騰などを背景に4万台あまり減少したのが響いた。輸入車も6カ月の合計で前年同期比92.9%の11万9752台と大きく販売台数を減らしている。
本日の日本経済新聞朝刊産業面に、マガジンXの発行元である三栄書房と二ユーズ出版の合併に関する報道が掲載されています。当社グループは、これからも読者の皆様に愛される雑誌作りのために全力で頑張ってまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。なお、詳細は三栄書房HPでも公表しています。
NIKKEI NET
http://car.nikkei.co.jp/news/business/index2.cfm?i=2008070110989c0
5-2)マスコミ向け事前撮影会
例えば、北海道のテストコースなんかで、こうしたイベントを実施する場合は、原則として「アゴアシ付き」である。現地までの交通費や宿泊費は、主催する自動車メーカーが持つことが多かった。多かったと書いたのは、昨今、メーカーも広報予算が削られてきているため、現地までの費用を負担しないところも出てきた。とくに輸入車を扱う「インポーターにこうした傾向が今年は顕著に表れている」(ある売れっ子評論家)らしい。経費削減の波はこうしたところにも如実に表れている。
さて、マガジンXである。
当然だがスクープを記事の柱に据えているだけに、こうした新型車発表前のイベントに呼ばれることはない。嫌われ者である。それでも、商売柄、いつどこでどんなクルマの試乗会をやっているかくらいは知っている。もっとも、まさかメーカーの敷地内に潜入するわけにはいかないし、どこかの施設を借り切ってやっている時に、「招かれざる客」をやるほど、無粋でもない。
ただ、一度だけ某自動車メーカーの事前撮影会の模様を記事掲載したことがあった。あのときだけは、遠くの場所から望遠レンズで、走行風景が覗けたため、記事掲載ができたのだが、あまりに業界内の反響が強すぎて、それ以降この手口は封印した。
ただし、その動機は、我ながら未だ不満が残る。なぜなら、そのイベントに参加していたある雑誌編集者が「自分たちは解禁日を守っているのに、マガジンXが先に掲載するのはけしからん」と、主催者であるメーカーにねじ込んだというのが発端。スクープを出しぬかれるわ、媒体から文句はつくわで踏んだり蹴ったりの、そのメーカーの広報部は困り果ててしまった。そんな事情から自主規制したというわけだ。その後、この手のイベント情報は承知していても、行かないことにしている。
5-1)マスコミ向け事前撮影会
雑誌は、当たり前だが実際に取材して、記事を書いてから、書店で販売されるまでに時間がかかる。通常だと1週間は見なければならないから、雑誌に掲載されている記事は、どんな新しいものであっても1週間以上前のネタである。ところが、新車記事を読んでいると、雑誌の発売日の前日に発表されたようなクルマの紹介記事が載っていたりする。車種が複数あることもめずらしくない。皆さんも、気づいたことがあるのではないだろうか。そのカラクリはこうだ。
新車発表直後であれば、写真と関連資料が配布される。大体、新型車発表前30日くらいだ。さらに「実際に走っている写真がほしい」との雑誌編集部の要望に応えるために、「事前試乗会」「事前撮影会」といったたぐいのイベントが催される。当該メーカーの施設や、ホテルの駐車場などを借り切って、人目につかないように、限られた人たちだけが呼ばれて撮影会なり、試乗会を実施するわけだ。もちろん、記事掲載日は「解禁日」が定められていて、これより以前に抜け駆け掲載をしてはいけない。それでもたまに、抜け駆けをする編集部があったりするものだから、そんな場合には厳重注意だ。場合によっては、以後の事前撮影会などのイベントに招待されない、なんてペナルティが課されることもある。
まぁ、そうなったら、もちつもたれつで記事を制作している編集部にとっては、あるいは媒体にとっては死活問題だから、めったなことで無謀なことはやらかさないが・・・・。
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