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2008年06月30日

【連載13】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話

4-6)「ウラ広報」と軟禁事件

それから4.5日が経っただろうか。Fからの電話が鳴った。
「もう一度会いたい」
という。同じホテルの同じ部屋で待っているから、来てほしい、というのだ。

その日もやはり夏の日差しが容赦なく照りつける暑い日だった。背広の上着を片手に、額から吹き出す汗を、ハンカチで拭いながら、Fの待つ部屋をめざす。
ドアを開ける。前回とは異なり、Fは入口の方を向いて、部屋の奥に陣取っていた。
「もう一度、お願いします。ネタ元を教えてほしい。情報をくれれば、なにがしかの交換条件を出しても良いです」
話しの流れでは、マガジンXに対して、金銭面での対応も考えると言うニュアンスも感じた。それでも妥協はあり得ない。
「何度、お願いされても無駄です。この件は終わりにしましょう」

長い沈黙が続いた。

その日もやはりまた陽が落ちるまで、交渉にならない交渉が続いた。で、Fは最後には、こう言って私をねぎらってくれたのである。
「Xさんの姿勢はよくわかりました。今後、この件で新たなお願いはいたしません。この件はあなた様の胸にしまっておいていただけると助かります」
季節は秋の気配が迫っていた、どうやって調べたのか。自宅宛に届け物がきた。地の特産品だったから、中身を言うと、どこのメーカーかわかってしまうので、言わないが、達筆な文章が添えられていた。
「お忙しい中、貴重な時間をおとりいただき、有り難うございました。衷心より深謝申し上げます。(中略)お体にはくれぐれもご留意の上、ご精励ください」
暑い夏の出来事ではあった。

その後、そのメーカーの親しい広報マンに、なんとなく事件について、匂わせたことがある。その広報氏はもちろん、トンチンカンな受け答えしかしなかったが・・・、本当のところは分からない。

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