「反則金」と「放置違反金」

クルマに戻ると、男が二人写真を撮っていた。二人を見とがめた私は「引っ越しをしています。荷物を降ろしたらすぐクルマを移動します」と告げた。男たちは私に眼を合わせる風でもなく、そそくさと私から遠ざかっていった。
駐車違反の取り締まりである。親戚の引っ越し先のマンションの前にクルマをとめて、荷物を部屋まで一度運んだくらいの時間だから、ざっと2.3分である。幸い「キップ」を切られずにすんだ。場所はJR大井町駅からほど近いマンション前の生活道路だ。再び戻ってくる可能性もあるから、今度は引っ越し手伝いのひとりに「見張り」を頼んで、荷物をもう一回部屋に運ぶ。この間さらに2.3分。
「やられた!」。クルマに戻ってみるとフロントウインドウにしっかりと写真の「駐車違反ステッカー」が貼られていた。見張りによれば「クルマの後ろ半分を見ていた」という。この証言が正しければ、2回目は監視員はクルマを前方から視認しただけで、ステッカーを貼っていたのか。5月末のことだ。
それから2週間、昨日「弁明通知書」と「違反金納付用の振り替え用紙」が届いた。1回目の監視員とのやりとりで、運転者が誰だか彼らは知っていたのに、大きな引っ越し荷物を運んでいるのを見ていたのに、2回目は写真撮影などの新たな手続きをせずに、ステッカーを貼っていった。取り締まりに不合理を感じないわけにはいかない。
また、警察サイドも道交法の改正以降、「運転者」を特定できなくても、車検証上の「使用者(所有者)」に反則金を請求できるようになったため、取り締まりの民間委託と相まって、点数の付与はともかく、「お金」を徴収する手間が簡便になったという側面がある。
取り締まりのやり方にいくらか不満はあるが、違反は違反である。弁明の手間と1万5000円をハカリにかけて、泣く泣く反則金を納付した。おっと間違えた。弁明通知書は「使用者」にきたから、反則金ではなく「放置違反金」なのである。あぁ、ややこしい。





