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2007年09月18日

ヒーロー伝説Vol.1『ランボルギーニ・カウンタックLP5000QV』

LP5000QV-2.jpg

「カウンタックなんかカッコだけじゃないか。本気で走ったらポルシェの方が絶対速いぞ!」子供のころ私はそう思っていた。しかし、真実はちょっと違っていた。この仕事に就いてさまざまな書物を読みあさり、さらにはシャシー構造の透視図の前で腕組みをしながら、う〜んう〜んと唸りつづけた末に導き出された結論は、「カウンタックほど崇高で常識外れなクルマはない!」というもの。まさにスーパーカーの中のスーパーカー。ぬるま湯につかっている私たちの常識なんかまったく通用しないレべルだったのだ。

ボディサイドのNACAダクト上部にある四角いボタンを押すと、フワッと浮き上がるようにドアが上に向かって開く。企画段階でダメ出ししたメーカーの技術者に対しあのガンディー二がガンとして譲らなかっただけのことはある(牧清和談)。しかしコクピットの開口部は狭く、身体を折りたたむように潜り込まなきゃならない。しかも行く手には30cmはあろうかというサイドシルがある。ようやく乗り込んだ私の目に飛び込んできたのはペナペナの内装だ。さらにエアコンは正常なら利くが、不具合を抱えているケースがほとんど。またサイドウィンドウは10cmしか開かないうえに手回しだ(2500万円のクルマだぞ!?)。
エンジンを掛ける。クックーッというスターター音のあと、ぐずぐずしながらV12は目を覚ます。クラッチを踏んで1速を選ぶ。だがそれは恐ろしく重い(ブレーキかと思った)上に、大き過ぎるセンタートンネルのせいでシフト操作がやりにくいことといったら。それに街中ではヘルメットを被りながら歩いているようで、前方以外何も見えない。車幅感覚もゼロだ。しかもバックはドアを開けて身を乗り出しながら重いクラッチ&ステアリングと闘うハメに(伝説ののカウンタックリバース)。
郊外に出る。エンジンは意外にも軽快。ハジけるのは4500〜5000回転からだが、グォーッとくる。そしてワインティングで試す。ブレーキングしてシフトダウン、ステアリングを切る、強力に発生する横G、そしてフル加速。すべてにおいて“力強さ”と“繊細さ”が必要で、まるでスリックタイヤを履いた一昔前のGTカーのよう。私はコクピットの中で脂汗は出てくるは、目は血走ってくるはで、知らず知らずの内にこう叫んでいた。「解った解った、もう悪口は言わないから」と。

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