
「もうこれで充分、他に何もいらないかも」。これはプジョー307スタイルのMTモデルをテストした際、思わず出てきた言葉。そう、クルマ好きのアシとして、ほとんど満点をあげられる内容だったのだ。心臓部は1.6L&108psと数値的にはしょぼしょぼ。だけど大柄なボディをなんなく引っ張る上に最高速はメーター読みで180km/hをマーク(テストコースで実証済み)。足周りも骨太でチューニング良好。低速域ではマナー良く、そして限界付近ではゆるやかにリアが流れ踏んでいくコーナリングが可能。それにパワステだって人間の感性を無視した昨今の電気式と較べると、まるでポルシェからもってきたかのようなフィーリング。当然、普段のアシとしての快適装備は必要充分の物が備わり、居住空間はオツリがくるほどあった。
ただ、ひとつだけ残念だったのはそのサイズ、である。ミニバン的スタイルはうすらデカく、110%拡大したかのような錯覚を起こすほど(もっともライバルたちが次世代モデルで追随したことを考えれば正しい方向性ではあったのだけど)。もうちょっと小さければ言うことないのに、というのが本音だったのである。
で、FMCして『プジョー308』となった新型である。秀逸な307をリファインしたのだから内容的に悪かろうはずがない。エンジンだってシャシーだってインテリアだって。だけどスペック表を見てビックリ。全長はさらに伸びて4276mmに、全幅はついに1800mmをオーバーして1815mmだ(セルシオといい勝負)。いったいどこまでデカくすれば気がすむのか(!)ヨーロッパの道はいつからそんなに広くなったのだろう、と皮肉のひとつも言ってみたくなる。逆に全高はやや低くなって1498mm。数値的には充分ながら、リアシートのパッケージが変なことになっていないか少々心配である。
さらにはホイールベースはほとんど変わらず。ということは、伸びた分はすべてオーバーハングで使ったというわけで、407のノーズの長さも気になったけれど、新しい308も慣れるまでは取りまわしに気を遣いそう。特に駐車場などの出入り口の段差には要注意、かもしれない。
というわけで、期待と不安が入り交じった『プジョー308』であった。ちなみに順調にいけば東モで会えるはず。(Honkan)