サソリの実践飼育記Vol.4

諸悪の根源はこれだったのである。水温センサーが壊れること5回、電動ファンが回らなくなること2回、クーラント液を噴き上げること3回、それに気がついたように動き出す水温計はいつも好き勝手な数字を指す。その原因は、すべてはこのラジエターだったのである。
A112アバルトを手に入れたのが2002年。そのころからラジエターのコア部分がつぶれ、クーラント液がショボショボ垂れていた。「あぁ、遅かれ早かれその内やらなきゃいけないなぁ」と思いつつ、まだ使える、まだ使える……で、すでに4年以上。いくらなんでも引っ張りすぎである。
もちろんそのしっぺ返しは軽い物じゃなく、信号を片っ端から避けつつ、抜け道につぐ抜け道、果ては1時間ごとにペットボトルで給水するハメになってしまった。ナゼなら止まって1分も経たない内にもうもうと煙が立ちこめてしまうからである。周りの人たちが思わず振り返るくらいに。
結局、ラジエターをアッセンブリー交換した上にセンサー類も一新。それから本体とサブタンクをつなぐホースも交換。サブタンクにまだ半分以上残っているから大丈夫と思っていたものの、実はホースの中が詰まりクーラント液が本体に戻って行かなかったのである。ラジエターキャップを開けて水を注ぎ込んでビックリ。飲むは飲むは、で1.5リッター。まさに危機一髪。
それにしてもオーバーヒートさせてヘッドを歪ませなくて本当にラッキーである。名機アバルト製エンジンをおシャカにしてしまったら大事だったから。高度な技術を要する江戸の伝統芸能『水芸』なら歓迎するものの、ちょい古ラテン車の水芸はうれしくないのである。
(Honkan)





