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2007年03月05日

足グルマだってカッコ良い方がいい! 「フィアット・グランデプント 1.4 16Vスポーツ」

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「イタリア人が足グルマに望むすべてがある!」1993年(日本導入は97年)に初代がデビューして以来、フィアット・プントはずっとそうである。コンパクトなのに荷物がいっぱい積めて、経済的で、運転が楽しくて、それになんと言ってもカッコ良い。まさに、イタリア庶民の本音を知りたければプントに乗れ! である。

 しかし三代目となったグランデプントは賛否両論である。なぜなら、その名が示す通りボディが大きくなったにもかかわらず、デザインを重視し過ぎたためかインテリア・スペースはあまり進歩していないからだ。口さがない連中に言わせると「もはや志を捨てたプントは普通のクルマ。もうヨーロッパのコンパクトカーに学ぶことはなくなったネ……」となる。

 たしかにスポーツカーのようなノーズは長い上に描く軌道がまったく解らず慣れが必要だし、インテリア&ラゲッジ・スペースも平均レベル。加えて小物入れが少ない&それ自体が小さい、明らかに設計ミスと言わざるを得ないドリンクホルダーのレイアウト、日本人には馴染まないカックンブレーキ、フィードバックのない電動式パワステ、といった見過ごすことの出来ないポイントも少なくない。


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 しかもマニュアル・モデルであっても1160kgの車重に対し明らかにトルクが不足していて、小気味良くスムーズに走らせようと思ったら、一瞬たりとも気を抜けないベシャメルソース作りのごとく、絶え間ないシフト操作を強いられることとなる。クルマに興味ない人はこう吐き捨てるだろう。「光るのはジゥジャーロのデザインだけで中身が伴ってないヨ」と。

 ただ、初代・二代目・三代目と3台を並べられ、どれか1台を選べと言われたら、ワタシは間違いなく三代目を選ぶハズである。なぜならボディ剛性&シャシー&サスペンションは確実に進歩しているし、電装系のクオリティも言わずもがな、だからだ。それに16Vスポーツの17インチ・タイヤ&ホイールには賛成できないものの、限界を超えたときの挙動、基本的にはアンダーステアながら、ドライバーを中心に自在に振り回せる素直さを持っていることも評価したい。


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それに右ハンドル仕様のドラポジだって悪くない。オフセット量も少ないし、ペダル類の剛性感も格段に良くなっている。ダッシュボードは広い。広いけども巧く処理している。お座敷のようにだだっ広く、そこで芸でも出来そうな勢いのニュービートルやプジョー307と較べれば雲泥の差。寝過ぎたAピラーもすぐ慣れる。

「カッコだけ!?」と揶揄されたデザインも、逆にこのデザインだけでも買う価値がある(!)と声を大にして言いたい。ひとつひとつの造形はどこかで見たことのある物ながら、それがひとまとまりになると他に例を見ないスタイリッシュな造形美になる。他車がどんなにノーズを尖らせようが、セダンはセダン、ミニバンはミニバンでしかないのに、このクルマはハッチバックなのにスポーツカーに見える。しかも見る角度によって表情が変わるのも興味深い。筋肉質だったり柔らかかったり、シャープだったり丸っこかったり。ジゥジャーロあなどりがたし、クルマ好きが喜ぶコツを知っている、である。

 初代のスポアバ(アバルト仕様)ならいざしらず、どんなに手ごろになったとしてもその他のモデルは忘れてしまってもいい、そう断言してもいい。「ちょっとイタリア車に興味があるんだぁ」なんてクルマ好きに、今もっとも乗って欲しいのがグランデプントである。
(Honkan)


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