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2006年10月27日

タクシーに乗って感じたこと

最近まで某携帯電話のコマーシャルでやたらとアピールしていた「CS(Customer Satisfaction/顧客満足度」という言葉。ピシが担当する「販売雑記帳」のコーナーでもひんぱんに使う言葉ですが、最近出会ったタクシー運転手さんの接客を見て、真のCSとは何かを改めて感じさせられました。
(ピシ)

ピシが足の骨にヒビが入る怪我をしたことはこのブログでも書きましたが、そのおかげでとにかくここ数カ月はタクシーに乗りまくっていました。
ピシの自宅からの最寄り駅はJR宇都宮線というめちゃくちゃローカルな中距離通勤電車の停まる「東大宮」という、これまた超ローカルな駅。実家に帰るには西口、ふだんの居所にしているアパートに帰るには東口にそれぞれ降ります。
怪我をしていた時はアパートの部屋が2階なので実家に居候していました。そのため西口のタクシー乗り場に待機するタクシーの運転手さんのなかには顔なじみも増え、ある種有名人になってしまいました。見た目は恐そうな運転手さんがピシを見るなり、「だいぶ良くなったみたいだね」と声をかけ、行き先も告げないのに実家まで向かってくれる人や、「あれっ、お客さん○○でいいんだよね」などと覚えてくれる運転手さんも多いです。なかでもちょうどピシが怪我をした頃にタクシー運転手さんになったAさんとはすっかり仲良くなり、ピシが乗り場で待っているとニコニコしながらタクシーを寄せて「最近会っていない(ピシに)ので寂しかったよ」などと気さくに声をかけてくれます。もちろん行き先は言わなくても実家へ向かってくれます。
一方東口のタクシーは西口ほど利用する機会が少ないのですが、ピシが特徴があるのかどうかわかりませんが、アパート近くなると「確か突き当たりを曲がったところだよね」と数人の運転手さんが覚えていてくれます。そのなかのBさんもやはり見た目は恐いのですが、「帰りはタクシーによく乗ってるみたいだけど、朝は何で行ってるの?」などと、やはり気さくに話しかけてくれます。
もっど驚いたのは怪我をしている時はJR飯田橋駅からタクシーで会社まで向かっていたのですが、その飯田橋駅からタクシーに乗り、「榎町までお願いします」と言うと、「お寺の近くですよね」という返答がありました。なぜ知っているのか聞くと「お客さん1週間前も乗ってくれたじゃないですか?」とのことでした。会社までは10数分の道中です。ピシも言われて思い出したぐらいでした。ピシの地元に比べれば同じ運転手さんに遭遇することは滅多にありません。朝から何かうれしくなって「これでお茶でも飲んでください」とささやかながらチップを出させていただきました。
ピシの地元のタクシーはもちろん、飯田橋で出会ったタクシーの運転手さんの会社も制服をビシッと着て、ゴージャスなタクシー車両の大手のタクシー会社ではありません。地元のタクシー会社の運転手さんなどは「制服っぽい服そう(失礼)」にしか見えず、少なからず抵抗を感じる人もいるかもしれないでしょう。
以前に道路で手をあげるとクルマを寄せるやいなや、運転手さんが運転席から飛んできてドアサービス(運転手さんがドアを開けてくれること)をする関西系のタクシー会社のクルマに乗る機会がありました。ところがこの運転手さん、新人だったのかもしれませんが比較的長い距離を乗ったのですが、会話をしてこようとはしませんでした。距離が長いと当然料金も高くなるので大抵の運転手さんはこちらが驚くほど饒舌になるものなのですが…。
もちろん制服をビシっと着こなし、きれいなクルマでドアサービスもしてくれることに高い満足感を抱く人も多いかもしれません。しかしそれはマニュアル化されたサービスであり、マニュアルを励行する運転手さんが、自発的に行なっているものでは必ずしもありません。
ピシ個人としては、そんな見た目のマニュアル化されたサービスよりも、ご紹介した運転手さんのような接客をしてくれた時に高い満足感を得るのです。つまり「オンリーワン(ピシを覚えてくれていたこと)のサービス」は、けっして会社に強制されているものではありません。これが若い女性のお客さんならば、逆にプライベートに干渉されているとしてクレームになってしまうでしょう。つまりオンローワンのサービスをするには、お客個々の特性を見極める高い接客能力が要求されるのです。
これは何もタクシーに限った話ではありません。本誌でもたびたび取り上げているレクサスもそのひとつです。ピシがまずは買えないであろう高額車ばかりを扱かっているのに、接客姿勢はマニュアルに完全に支配されています。カローラに乗って喜んでいるピシですらオンリーワンの接客に好印象を持っているのですから、高額車に乗るお客さんの多くもオンリーワンの接客を望む人が多いはずです。しかしレクサスにはそれを「不公平な扱い」とまで言っているセールスコンサルティングもいます。
ISやGSを売っているだけならまだいいですが、トヨタ、いやレクサスの旗艦車種であるLSのターゲット客にはマニュアル化された接客はかなり陳腐なものにうつっているに違いありません。その証拠にいままでのLS受注の大半はセルシオユーザーの代替えです。つまりトヨタ、トヨペット店のセールスマンがお客さんとレクサスのセールスマンを丸抱えで面倒をみるという、ある種オンリーワン的な接客で受注していることは容易に想像がつきます。10億円のショールームでのマニュアル化された接客は機能不全をおこしているといっても過言ではないでしょう。
今回紹介したタクシーの運転手さんの接客のほうが、レクサスの接客よりはるかにレベルが高いと考えるピシでした。
(ピシ)

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元木昌彦のメディア業界回遊日誌山形浩生公式HPクルマ/自動車 オートバイ/バイクのイラスト マコトガレージ
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