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2006年10月24日

宋の書家「米芾」

愚生、趣味で書道を習っており、7年ほど修業している。一応師範の免状は取得したものの、ここからが茨の道。
書けば書くほど、自分の至らなさに気づかされる日々を送っている。
専門は中国の古典臨書なのだが、中でも宋の書家「米芾(べいふつ)」は、たいへん好きな書家である。

米芾(1051-1107)は、元々役人であった。ただし、普通はみな科挙における進士及第者であり、
エリート官僚としての士大夫であったのに、彼は恩蔭により官についた、非進士及第者であったのだ。
決定的に不利な立場にあった彼でも、他の者に互していくことができたというから、相当な技量があったのだろう。
そのような社会への不満をバネにしたかどうかは定かでないが、芸術家としてその資質を存分に発揮し、「米顛」と呼ばれる、特異なエピソードを多く残した。
例えば、その立ち居振る舞いは、屈強で気まま、世間とうまく折り合わず、そのため宮仕えしても、失敗することが多かったという。彼の冠服は、唐人のオールドファッションを真似たので、彼の至る所に人が見物に集まった。また、潔癖性だったらしく、人と手ぬぐいや器物を一緒にせず、手を洗っても自然乾燥していたとか。奇石に対して、正装してこれを拝した、など、枚挙にいとまがない。
作品としては、細身かつ起筆のはっきりとした行書が特徴であり、「蜀素帖」「行書三帖」などが有名である。心を落ち着けて臨書していると、1000年も前の人物像が浮かび上がってきて、さらに深く知りたい、書法に関しては自分に憑依してもらいたい、そんな気にさせる魅力的な文字なのである。機会があったら、是非一度ご覧頂きたい。
(征夷大将軍)

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