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2006年09月04日

防災訓練フェチ

9月1日は防災の日。いわゆる防災訓練が全国で実施されております。ことしも例年同様、各地で盛大に、あるいはこじんまりと実施されました。
昔から取材をしてきたのですが、東京都は平成12年(2000年)から「ビッグレスキュー」という名称を1〜2年だけですが使いました。内容がアグレッシブになったのはこの辺からだと実感してます。どこかの広告代理店が噛んだからじゃないかと思っていますがウラはないです。
今年の防災訓練もハデでした。

メイン会場となったのは足立区の荒川河川敷。
ことしは帰宅困難者の対策に力が入っていたようです。帰宅困難者、最近の防災的注目点であります。
都内勤務の通勤者で近県在住者、この膨大数の帰宅手段を確保するため、陸上自衛隊は荒川に簡易式の橋を架けた。簡易式といってもそれは全備重量14.5トンと言われる96式装輪装甲車も渡河できるゴツイ橋、「92式浮橋(ふきょう)」です。陸自はこれを訓練前日の8月31日に、小一時間で設置。
この、橋を架けたり、穴を掘ったり、陸自の中で建設系作業を引き受けるのは「施設科」という職種。
外国軍では「戦闘工兵」と呼ばれる通り、軍隊の作戦や活動そのものを縁の下から支える部隊。
最初に戦域に入り、最後に離脱する部隊とも言われるように、たとえば戦車部隊がスムーズに進行できるよう道を切り開いたりする縁の下の力持ち部隊なわけです。
軍隊は自己完結能力がないと話しになりません。戦車が通れないから、その自治体の道路管轄部署にいちいちお伺いをたてるものではありません(有事にはそうなりそうな現法体系ですが)。
車両群を自前の能力で通過させ整備管理を継続し、補給路そのものも確保し続ける。
陸自はこの能力に長けており、その職人集団が施設科なわけです。災害方面での出動に関しては、あの阪神大震災以降、実績と実際の必要性・有効性が官民ともに認識され、災害派遣で自衛隊が出ることになんらアレルギーは無くなっていると思われます。問題は、警備・治安・防衛出動時の法整備です。

話がそれました。

そんな防災訓練の荒川で、自衛隊・消防・警察が連携した救助のようすや、初の実動部隊が参加した在日米軍や韓国消防レスキューの参加状況などを見るにつけ、行政や各種機関の「官側の訓練」は着実に積み上げられてきているのを感じます。
必要要素は多いから、まだたくさんの懸案があるのは当然織り込み済みですが。

気になるのは民間側の防災意識。つまり私たちの自然災害に対する危機意識というやつであります。
圧倒的に我関せず、対岸の火事、知ったことか、の感じであると某アンケート結果。
喉元過ぎれば熱さ忘れる……どうやらこれ、日本人のマインドですが、なにが起きても75日くらいで忘れてしまう。
というより、東京直下型地震が来るらしいけどリアルに感じられない、というニュアンスでしょうか。ま、これらマインドの分析をしたところで、しょうがない。
どんなに官側が訓練を積んでも、民間側・私らが危機感と意識を持てなければ、官民両輪がリンクした防災・減災・救難・避難活動は実現しなさそう、そう思います。
リアルな意識の共有にはもうすこし時間がかかりそうだし、実行力については未知数な気がします。

自分を振り返ると、防災訓練などを取材するのは多数ですが、それは仕事。
まったくもって個人的な防災訓練参加回数はというとゼロ、であると白状しちゃいます。
自分の自宅から避難指定されている広域避難所も知りません。会社でのそれも同様。
防災関連も取材ネタとする身としては、ヒジョーに説得力のない状態だと自覚しています。
これじゃあダメだ。

どうすれば意識や自覚が持てるか?
個人差はものすごくあると思いますが、ひとつには「防災訓練を見る」ことだと思われます。
あぁなるほど、こんなことをしているのか、と。
すると、官側がうまいこと対処できるようやっているらしいことはわかった、では、罹災時に我々はどうだろう、パニックにならず行政側の指示にそって避難してゆけるだろうか? なんてことを考える機会になる。ここから、始めなきゃならんわけですね。
荒川渡るのに、そのときの情況次第じゃ「ボート」で渡河せにゃならんかも。
その準備には2〜3時間かかり、雨の降る中、河川敷で延々待つかも。
その間、トイレに行きたくなったらどうしよう…
河川敷にうち捨てられたトイレには長蛇の列だろうし、河川敷の避難拠点に仮設トイレが建てられたとしても、それも長蛇の列だろう…
そもそも、大地震で自分の生活が台無しになった場合、食事・トイレ・入浴・睡眠、そういった物事が今とは正反対のものになるんだろうな…

なんてことを想像するところから防災意識って始まるんだと思うんです。
訓練への参加は、そのあとの順番かな。
今年の荒川土手には若い女の子の姿もありました。それもイケメン消防レスキューが活躍する訓練展示会場側と正反対の土手で、です。
自衛隊ヘリや、訓練初参加の米陸軍ヘリが救援物資を届けに、荒川河川敷に降着する様子を見つめていたあの女の子達はきっと、北千住駅前で配られたビラで訓練を知り見に来たんだと思われます。

女の子が「災害下の自分の暮らし」を想像してくれると世の中は動くような気がします。
防災訓練も、自衛隊マニアや消防オタクらだけが写真撮りに来るだけじゃダメだ。
若い女の子が見に来るような防災訓練の内容にしないと、実行力ある訓練にならんと思う(貝方士)

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コメント

mag-x編集部様
おっしゃられている通り、民間側の危機意識・当事者意識を高めることが訓練で最も大事かと思います。
炊出しにしても、ガス・水道・電気が止まり、物資の輸送経路が絶たれた際にどうするかなど、考えて欲しいです。

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