あいをとるか、ラグジュアリーが勝つか
日本カー・オブ・ザ・イヤーの今年の大賞のことである。日産とホンダにめぼしい新型車がないことで、今年はすでに昨年末発表された三菱の「i」と夏に発売予定のトヨタ「レクサスLS」の一騎打ちとの見方が業界の大勢となりつつある。「i」については、すでに市販されていることもあり、読者の皆様も多くの知識をお持ちのはずだ。リアミッドシップレイアウトのエンジンや流線型のユニークな外観、さらに走りの良さが加わって、軽自動車市場の中でも、すでに独自のポジションを形成しつつある。今後、派生モデルの発売も計画されているし、さらにはハイブリッド車や電気自動車への発展性も取りざたされている。
一方の「LS」。すでに販売店の店頭では「年内納車が微妙」(本誌販売担当記者)の状況で、「日本メーカーがいま作ることができる最高級車」(COTY選考委員のひとり)と、その出来映えに太鼓判が押されている。来春にはハイブリッド車が追加設定される予定もあり、北米、国内とも販売店の間での初期ロットのタマの取り合い状態だ。余談だが、「来春ハイブリッド車が追加設定されると、ガソリン車を予約しているお客からキャンセルが出て、ハイブリッド車に乗り換えられてしまうのでは」(本誌販売担当記者)と言った心配さえ語られ出した。
で、冒頭の賞取りである。「COTYの伝統から言えば、その年の画期的な新型車が受賞する可能性が高い」(あるCOTY実行委員)と「i」を推す意見があるのに対して、トヨタはすでに大賞から5年以上遠ざかっている。昨年も高級車販売網のレクサスチャネルを国内展開したことを評価してもらえず、受賞を逃した。富士スピードウェイでF1日本グランプリを開催する来年に向けて、「LS」でCOTY大賞を受賞して弾みをつけたいはず。ワールドカップ明けには、ドイツで「LS」のワールド・プレミアム試乗会も計画して、COTYメンバーを中心に多くの自動車メディア関係者を豪華接待旅行に招待する。海外に招待したら大賞がとれるとのジンクスもあり、「今年とれなかったら、トヨタの怒りを買う。政治的にもトヨタが勝つだろう」(別のCOTY関係者)と、評価は二分している。
三菱はまだ「リコール隠し」のみそぎが済んでいない。「LS」は中心価格が1000万円以上で、誰でも買えるクルマじゃない、とそれぞれウィークポイントも指摘される。「愛か金か」恋人選びにも似て、これからの賞取り合戦はいよいよヒットアップの予感だ。(神)





